衆議院議員選挙と同時に行われる、最高裁判所裁判官国民審査。
人によっては「全員に✖️をつける」というアプローチを取る人もいる。それには違和感があり、個々の裁判官の判断を事前に勉強してから投票に行ってもいないので、判断は全部保留してきた。
が、戦後最長期間居座った2代前の総理大臣の時代に、三権分立つまり司法の独立が大きく損なわれたと感じるようになり、憲法の番人というより政権の番犬じゃね?っていう印象を強くしていたところ。今回はちょいと勉強してから期日前投票に行こうと思い立った。
去年9月に亡くなったRBG、その後継の最高裁判事任命のゴタゴタをつぶさに見せられたことが影響してるかも。日頃自分には関係ないって思ってることが、実はとっても大事だってこと、スーパー反面教師のトランプ爺に教わった気がするもん。
ググると、すっきりとまとめられた情報がわんさか出てくる。ってことは今まであたしはこれだけサボってきたのかぁ〜、と愕然とする。ちなみにNHKには「最高裁判所裁判官国民審査2021」という特設サイトがあって、国民審査とは?最高裁判所とは?に始まり、審査対象の11名の判事のプロフィールや主な裁判での判断が掲載されている。
一番注目したのは一票の格差問題に、この人たちが一体どういう考えを持っているのか?ということ。
2019年参院選の一票の格差が違憲か否かが問われた判断に関して(2020年11月18日判決)、深山卓也・林道晴・岡村和美・の3名は合憲判断。草野耕一判事は条件付き合意(格差を改善できる手段の実施を国会に強いることはできない。現状を一応合憲と認め、不均衡によって一定の人々が不利益を受けているという具体的かつ重大な懸念が発生すれば違憲と捉え直すべき)と判断した。よって、この時点であたしの✖️候補はこの人たち(苦笑)。
三浦守判事は違憲状態(3倍程度の格差は、一人一票という選挙の基本、国民主権と議会制民主主義の根幹に関わることに鑑みて、大きい)、宇賀克也判事は違憲(選挙権が国民主権の基礎となる重要な権利であるため、国会は一票の格差がない状態をデフォルトとして制度設計せねばならない。参議院選挙での一票の格差を衆議院選挙より緩やかに認めるのも正当化が困難)、と判断した。この2人はひとまずキープだね。
次に注目したのは、選択的夫婦別姓問題。
2021年6月23日決定の、夫婦別姓が認められないのは憲法違反かどうか?については大法廷が判断し、11人が合憲という判断を下した。今回の審査対象の判事のうち、深山拓也・岡村和美・長嶺安政の3名の裁判官は合憲判断で3名共通で補足意見(国民の意識の変化については国会で評価・判断するのが原則だが、未だそのような状況にはないので違憲という状況にはない、国会での真摯な議論を期待)をつけた。林道晴判事は合憲判断。この時点でほぼ✖️候補は確定しつつあるって感じ?
三浦守判事は「違憲だが結論は同じ」(現実的に女性に不利益を与えていることを認めるものの、法律がないのに夫婦が称する名字を書いていない届け出を受理することはできない)と、一票の格差問題の時同様ビミョ〜な立ち位置を維持(苦笑)。確かに手続き論を言えばそのとぉ〜り!ま、違憲だって示したことは評価できる。
草野耕一判事は明確に違憲(選択的夫婦別姓導入で向上する国民の利益は明白、にも関わらず導入しないのは個人の尊厳をあまりに蔑ろにしている)と判断。お〜っと、草野判事、キープ候補に昇格か(笑)?宇賀克也判事も明確に違憲(名字を同じにしないと結婚を法的に認めない制約に合理性はない、婚姻の自由と夫婦の平等を保障した憲法の趣旨に反する、不当な国家介入。通称使用を認めること自体が夫婦同性が不合理だと認めていること)としている。宇賀判事のいう「通称」確かにね、だって既婚の女性の政治家って旧姓のままの人が多い。それってど〜よ?
それ以外にあたしが注目してたのは当時から気になってた、沖縄の辺野古サンゴ移植訴訟(沖縄県の敗訴が決定)。第3小法廷で争われ5名そのうち2名は県側の主張を認めた、今回の審査対象判事で沖縄の主張を認めたのは宇賀克也判事一人だけ。
表現の不自由展に施設の利用を認めるかどうかが第3小法廷で争われた件については、宇賀克也判事が裁判長を務め、林道治・長嶺安政の今回審査対象の判事を含む4名の裁判官が、全員一致で施設の利用を認める判断を確定させた。宇賀判事、安定感あるわぁ〜。
その宇賀克也裁判官には💮をつけたいけど、✖️以外をつけると無効票になってしまうのでそこをグッと抑えねばならない。ってわけで、キープしたい裁判官が誰なのか、だいたいわかってきた。
しかし、あたしが「そうだよね」って思えるような判断をしてくれる裁判官って、15人もいるのに(今回審査対象は11名)多めに見積もっても3名しかいないのかぁ。かなりの番犬ぶり?
私もサボっていました。
今回kebaさんの記事を見て、ちゃんと調べて判断しようという気になりました。
ありがとうございました。
kebaさんのこの記事、オットにも見せて参考にさせていただきます。
やっぱりきっちり事前に調べて向かうのって大切ですね。
アメリカの、ギンズバーグ最高裁判事の映画やドキュメンタリ、彼女が亡くなった後の後任判事の任命のプロセスには上院の公聴会があり(でも、あたしはこの男に大学時代レイプされました〜とかいう女性が出てきたりするわ、そりゃもう混沌(苦笑))、それを開催前からCNNが毎日のように報じていたので、全くプロセスがわからないまま選ばれる日本の最高裁判事ってどういう人なんだろう?という疑問を単純に抱いた、そこから今回こうなった、って感じです。
やってみると、なかなか面白いです。参考にしておくんなさいまし
一票の格差については、一票の価値が重い地域に地方交付税や補助金が手厚く配分されている、という研究結果が出ていて、東京に住むあたしたちは怒っていいと思っています。草野判事のいう「不均衡によって不利益を受けている人々」というのはあたしたちのことだと思う。
それにしてもね、ちゃんと調べると、それはそれで面白いんですよね〜。今回は今までよりも投票に行くのが楽しみだったりします、単純(笑)。