今日のうた

思いつくままに書いています

日本人失格 (1)

2017-03-21 16:56:46 | ③好きな歌と句と詩とことばと
このところ私は、「息苦しい」とか「生きづらい」という言葉に
過剰に反応してしまう。新聞の新刊広告に次の言葉があった。

「 この国はなぜ僕には息苦しいのか? 」

高齢者の私にとって、この国は生活面だけでなく精神的にも非常に息苦しい。
若い人にはどのような息苦しさがあるのかを、どうしても知りたかった。
そして5分後には図書館に電話していた。(キャッチコピーの力です)
私の住む市の図書館はとても親切で、リクエストすると大体買ってくれる。
作者の方には申し訳ないが、もう何十冊も買ってもらっている。
自分で買えば自分しか読まないが、図書館で買ってもらえば他の人も読むといった、
自分なりの理屈もあるのだが、年金生活で余り買えないのが一番の理由だ。
いつものように、「検討して後日結果を連絡します」ということになった。
楽しみに待っていたのだが、思わぬ結果だった。

「タレント本はたくさんあるので、今回は見送ります」
「ちょっと待ってください。彼は自分の考えを発信していて、政治にも
 とても興味のある人ですよ」
「ええ、でも……決まった事なので……」

私は以前、『ロンドンハーツ』をよく観ていた。
最近の田村淳は口調が高圧的で、笑いのためなら何でもするといった態度が鼻に付いていた。
だが彼が発信する言葉には興味があった。
早速、アマゾンではなく(安易にアマゾンを利用するのを止めた)街の本屋さんに
買いに行った。ところがどこを探してもない。
それこそタレント本だったら、一番前に平積みになっているのではないか?
お店の人に調べてもらうと、一番奥の新書コーナーにひっそりとあった。
それがこの本、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんの『日本人失格』です。

非常に読みやすく教訓に富んでいる。タレント本と侮(あなど)るなかれ!
彼の生き方を通して、今の日本という国が見えてくる。
年齢に関係なく、この国で生きていくのは息苦しい、ということが分かった。
私はせいぜい10年我慢すればいいが、若い人たちは何十年もこの国で
生きていかなくてはならない。
そんな若者へのエールとして、是非、図書館に置いて欲しい本です。
だがどんな内容の本を出しても、「タレント本」として一括りにされてしまうことに、
大いに違和感がある。(図書館は数多くの本を扱うので仕方がないが)
テレビ番組では、「東大卒」「京大卒」「有名私大卒」と過剰に放送する。
一般的には、学歴は18、19、20歳の能力に過ぎない。
それからの人生の方が長く、学ぶことが多いはずだ。
それをいつまでも学歴で視聴率を取ろうとするテレビ局、そして学歴だけで生き延びている
タレントを観ていると、レッテルだけで判断しようとすることに、この国の危うさを感じる。
気に入った文を引用させて頂きます。

(1)どうして日本の組織は、個性よりも、みんなと同じような行動することを
   求めるのだろう。
   あるいは大勢がよってたかって、”個”を攻撃し、潰しにかかるのはなぜなのか。
   考えてみると、これらの傾向は会社や組織に限ったことではなく、この国全体に
   蔓延(まんえん)している気がする。

(2)今やどのテレビ局の番組スタッフも、芸能人に牙を剥(む)かせない
   均質化を求めている。
   BPO(放送倫理・番組向上機構)の影響力が強まっているせいかもしれないけど、
   番組スタッフは自分たちが面倒なことに巻き込まれないように
   「 安心・安定の番組作り 」
   という箱の中に芸能人を無理やり押し込めている。
   逆に、その箱からポンッと飛び出そうものなら、排除しようとさえするのが、
   テレビの現状なのだ。

(ここ5、6年、テレビが特につまらない!
 年がら年中、食べてばかりいる。
 年がら年中、健康番組を放送する。
 年がら年中、同じコメンテーター(芸人か元スポーツ選手)が出ている。
 年がら年中、学歴(しかない?)タレントがクイズ番組に出ている。
 年がら年中、おいひ~の旅番組ばかり流している……)

(3)では、なぜ日本の企業は”個”を認めないのか。
   その原因のひとつに、上司の「自己保身」があると思う。
   部下に新しいことや思いもよらない提案をされてもよくわからないし、
   それを許可して失敗した時に、自分が責任を取らされるのがイヤなのだ。
   それを避けるため、「前例がない」という言葉で部下のチャレンジ精神を
   萎えさせてしまう。
   「前例がない」ところにビジネスの金脈が眠っているかもしれないのに、
   前例を継承させ、部下に過去の成功体験を押しつけようとする。

(4)となると、小学校くらいから、 
   自分という”個”をきちんと認識させ
  大事にする教育
 が
   必要かもね。自分の好きなもの、嫌いなもの、得意なことをわからせて伸ばしていく。
   人に合わせなくても、自分を殺さなくてもいいんだと思えるようにしていかないと、
   上から言われたことをひたすら従順にやったり、まわりを見て動くだけの社会人に
   なってしまうんじゃないか。

(5)今の先生たちって自分に自信が持てないせいで、子供らにいろんな道を
   示してあげる前に、
   波風立たないような、子供たちの冒険心を削(そ)ぐような 、
   画一的な授業や指導しかできないんじゃないかと思う。
   あとは親や教育委員会から突っ込まれないように、ビクビクと
   その場をやり過ごそうとするとか。
   あるいは、問題が起こらなそうな道を提示しておけば、余計な気苦労もしなくて済むし、
   子供たちを把握しやすくもなると勘違いしているのかもしれない。
   結果、子供たちは”均一化された、いい子ちゃん”に育っていく。  2につづく



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日本人失格 (2)

2017-03-21 16:56:27 | ③好きな歌と句と詩とことばと
(6)受賞後初の講演で、大隅教授は言った。(2016年ノーベル医学・生理学賞受賞)

   「人と違うことを恐れずに、
   自分の道を見極めて突き進んでほしい

   続けて、こんなことも言ったという。
   「これこそが日本人の弱点だと思うんですが、みんな一緒、みんなと一緒であることが
   心の平和だと思い込んでいる。それは絶対的な間違いであり、人の成長を止めます」
   今の世の中、どうも人と違うことをするのは”悪いこと”のような
   雰囲気が漂っているけど、大隅教授の言葉には改めて勇気づけられる。

(7)面倒くさいから、自ら率先して卵のパックに納まっていく。隣を見て同じような
   形をしていることに安心感を得て、まわりと同調することが当たり前に
   なっているというか。
   「和を乱さないことが大事なんだ、仕方ないんだ」とか言い訳してるんだと思うけど、
   そうした生き方って、自分に対する【思考停止】状態で、
   自分を大事にしているとは言えないんじゃないの? 


(8)社会保障費で使われる金額が、高齢者が76兆円で、子供たちには
   5・6兆円しかないのだ。
   なんじゃそりゃて言いたくもなる。怒られるのを覚悟で主張するが、
   その76兆円を少しでも多く、子供たちのほうに回せないの?
   将来の日本を背負う子供たちにお金を使うべきでしょ
   6人に1人が貧困家庭ってことで、食べるものに困ってるっていうんだよ。

(9)おかしいでしょ、この構造。他の国だったら暴動もんの騒ぎだよ。
   まあでも、多くの日本人が、韓国とは違って、国に対して何も怒らないんだから
   仕方ないか。
   そもそも、オリンピックを推進している人たちも政治家たちもみな、
   年寄りばっかでしょ。
   彼らは完全に逃げ切れると思っているんだよね。
   何か問題が起きても、国の借金で子供らが苦しみの悲鳴を上げることになっても、
   その時には自分はこの世にいないしって好き放題やってる。
   オリンピックだけじゃない。事故の後始末もできてないのに原発の再稼働をするとか、
   今の新幹線で十分なのにリニア新幹線まで造ろうとか、とにかくデカイ建物造ったり、
   トンネル掘ったり、昭和の経済発展していた時と同じ発想で、
   金儲(もう)けのことしか考えていない。しかも、それを作る金は
   ぜーんぶ借金なんだよ。自分の孫よりもそのまた先の先の世代にまでツケ回しして、
   自分(じじい)たちの利益のことしか考えていないんだから。

(全く同感です!読んでいてワクワクしました。若い人はもちろん、
 政治家も官僚も教育者も是非、読んで欲しいです。
 勧められて素直に読むくらいならましだけど、タレントの本だからとか、
 ちょっとエッチな箇所があるとか、言葉遣いが乱暴とかで、教育上、良くないと
 言い出しかねない。
 田村さんの口調を借りると、「あいつら何にも分っちゃいないんだよね。
 形ばっかで、物事の本質が見えてない!」)

(10)いや、ホントホント、いくら東大、京大、ハーバード大を卒業したって、
    気が利かなくて、仕事上においてイラッとさせられるヤツらが腐るほどいるじゃん。
    いくら頭の良い優等生ないい子ちゃんでも、”学力”がなけりゃ意味ねぇって。

(11)シリコンバレーに行った時も思ったけど、アメリカの人たちは、本当によく働く。
    ガンガン動いてるなあと実感した、
    一方、日本人は臆病だから、まわりを見て、自分が外れてないかを確認して動く。
    当然、ひとりひとりの行動範囲は狭くなる。
    人と同じように動いていると、ある意味ラクだから、自分でものを考えなくなる。
    人についていけばいいということになる。
    今、日本を覆う一番の大問題は、この【思考停止】と【依存体質】   
    にあると思う。

    卵パックに納まりやすい均一の人たちが作り出されているという話をした。
    それって、自分がどういう生き方をしていいのかわからないから、とりあえず
    友達と同じでいれば、何かあった時にお互いに傷を舐(な)め合えるし、
    それなりに安心なんだろう。
    だけど、最終的には他の人と合わせていくのが苦しくなってくる。
    そりゃそうだよね、みんな卵のようにツルっと丸くはなってない。
    個性があるからいろんな凸凹がある。それがぶつかり合うなら
    居心地は悪くなるだろう。
    それでも、ひとりになるのが不安で怖いからなのか、パックの中に閉じこもったまま、
    更なる ”同調ストレス” にさいなまれる。

    だけど、そうやって何事にも疑問を持たず、国や、誰かが作ったシステムや
    制度やルールを、言われるまま信じて守って、そうやって
    【思考停止】と【依存体質】できたツケが、だんだんのしかかってきている
    気がするんだよね。特に最近の日本は。…
    日本がこのまま進んでいくことに、僕は全然いい未来が感じられないし、
    この空気やシステムに、とてもじゃないけど馴染(なじ)めない。
    そういう意味で僕は、昔から、そしてこれからも”日本人失格”なんだと思う。…

    日本という大きなシステムは変えられないけど、自分を変えることはできる。
    そして、同調圧力が強まっている今の日本だからこそ、僕はみんなそれぞれの
    ”個”を磨いて、バラバラに動いていったほうがいい と思う。
    でないと、本当に日本はヤバイ気がするよ。    (引用ここまで)

(森友学園問題でも、いかなる嘘、言い訳、言い逃れ、ごまかし、メンツ、忖度(そんたく)、
 圧力、恫喝……があったのだろう?
 超エリートの官僚のみなさまの、国会へのご来院をお待ちしています)



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私は平成の 『 治安維持法=共謀罪 』 を作った総理になりたくない

2017-03-21 16:55:53 | ②一市民運動
(364)「共謀罪 『テロ対策に便乗』9・11遺族、実効性に疑問 
     3月21日 毎日新聞」

http://mainichi.jp/articles/20170322/k00/00m/040/137000c

「テロ等準備罪」=「共謀罪」=「平成の治安維持法」

(364-2)「首相不在で閣議決定 訪欧中で麻生氏代理 3月22日 東京新聞」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201703/CK2017032202000117.html

(364-3)「重要法案なぜ安倍首相抜き? 『共謀罪』閣議決定の怪しさ 
      3月22日 日刊ゲンダイ」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201939/1


(364-4)「『テロ等準備罪』 市民グループが官邸前で抗議活動 
      3月21日 NHK NEWSWEB (動画あり)」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170321/k10010918871000.html

(364-5)「(教えて!「共謀罪」パート2:5)メールやLINEでも摘発されるの?
      3月22日 朝日新聞デジタル」

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12852889.html

(364-6)「『共謀罪』は表現の多様性否定 劇作家・坂手洋二さんに聞く 
      3月21日 東京新聞」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201703/CK2017032102000105.html

(364-7)「“共謀罪” 閣議決定にほくそ笑む金田法相と公明党の不作為 
      3月21日 日刊ゲンダイ」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201862/1

山口さん、自らの志を曲げてでも、権力の座はそんなにおいしいですか?

(364-8)「(インタビュー)「共謀罪」のある社会 神戸学院大学教授・内田博文さん
      3月22日 朝日新聞デジタル」

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12852850.html

 



(画像はお借りしました)


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