暮らす、生きる、繋がる、持続可能な未来

人も社会も、成長と負荷を切り離して、落としどころを考える。

2020年度・二級建築士受験ブログ講座「建築法規」Vol.7:構造強度の規定

2020-04-29 08:31:12 | ビジネス・教育学習

◇出題傾向分析
 ①基礎(令38条)などの構造部材に関する全般的な事項の把握が必要と考えられます。
 ②構造計算が必要な建築物(法6条の一号~三号建築物)の理解などの構造計算規定(法20条)に注意。
 ③暫く出ていませんが、二級でも確認申請の構造適合判定の有無(法6条の3)が、そろそろ気になる。
 ④木造の土台に関する規定(令42条)の出題率が高いので、しっかり規定の把握が必要。
 ⑤軸組計算(令46条4項)は、風圧力に関する理解が重要と考えられる。
 ⑥コンクリート・ブロック塀事故の影響か、その基準に関する出題が続きます。
 ⑦地盤の許容応力度(令93条の表)は、重要事項として、法令集の読み込みの速さ(内容の把握)が必要。

◇重要事項①:木造建築物の土台(令42条)
 ・原則、構造耐力上主要な部分である柱で最下階の部分に使用するものの下部には土台が必要。
 ・ただし、柱を基礎に緊結した場合又は平家建ての建築物で足固めを使用した場合は除外されている。
 ・第2項で、原則、土台は、基礎に緊結しなければならないとしている。
 ・ただし、平家建ての建築物で延べ面積が50㎡以内のものについては除外されている。

◇重要事項②:木造建築物の軸組計算の規定(令46条4項)
 ・階数が2以上、面積50㎡を超える木造建築物への規制(原則、3階建は構造計算が必要)。
 ・表1に、軸組の部分の倍率(軸組倍率)を記載しています。
 ・軸組の強さは、桁行、張間のそれぞれの方向について、軸組部材の長さに倍率を乗じて算定します。
 ・注意点は、通常、筋違いのたすき掛けは2倍するが、(5)項だけは、「3」の2倍ではなく「5」である。
 ・表2に、地震力の計算基準として、各階の床面積に乗ずる係数を記載しています。
 ・表の係数選択で、建築物の種類の区分けは、令43条の柱の小径計算の表であることに注意する。
 ・風圧力に関しては、垂直投影面積に係数をかけて算定するが、見付面積を控除する規定がある。
 ・床面から高さ1.35メートル以下の部分について、見付面積から控除して計算するのです。
  ⇒地盤面からではなく、床面からであることに注意!
 ・見付面積に乗ずる係数は、表3に記載されていて、通常50㎝/㎡の定数である。
 ・従って風圧力計算のポイントは、風圧力を受ける見付面積計算(算数の世界)にあるといえます。

◇重要事項③:補強コンクリートブロック造の塀の基準(令62条の8)と地盤の許容応力度(令93条)の表の数値
 ・コンクリートブロック塀事故の影響なのか、少々、出題が続く、注目の分野です。
 ・また、許容応力度の分野を含めて、基準の数値が豊富なので、試験問題がつくり易い分野です。
 ・これらの分野以外にも、数値基準がある部分は、どれも同じです。
 ・覚えるというより、法令集を開くスピードと、数値を認識するスピードの問題と心得ます。

◇重要事項④:構造計算を必要とする建築物(法20条と法6条)と構造適合判定(法6条の3)
 ・構造計算を必要とする建築物の規定は、原則、法20条です。
 ・しかし、構造計算の必要性有無の判断は、法6条1項で判断します。
 ・法6条1項の二号建築物と三号建築物が、構造計算を必要とする建築物です。
 ・法20条では、構造計算方法と建築確認の適合判定の必要性の有無を示唆しています。
 ・適合判定の有無を問う問題は、H24年に一度だけでていますが、そろそろ要注意です。
 ・法6条と、法20条を比較して、建築物の規模を整理しておくといいです。
 ・私は、講座用にパワーポイントで表を作成し、分かり易く整理しています。

2020年4月29日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする