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2022(R4)年二級建築士試験問題解説②

2022-10-08 08:48:35 | ビジネス・教育学習
◇2022年(R4年)の建築士試験について、木造建築士に引き続き、二級建築士試験問題についても、独断と偏見で解説を進めていきます。
◇二級建築士の来年(2023)年度)試験を受験される方に、少しでもお役に立てればと願っております。
◇昨年度(2021年)問題の解説の時には、傾向分析を表にまとめながら進めてしていきましたが、今回は、まず解説をしていきます。
◇傾向分析については、年明けにリアル講座のオファーが来た時には、傾向分析を公表していきます。
◇オファーが無い場合には、今回の解説まででご容赦ください。
◇記述するのは解説だけですので、問題文については、公開されています、公益財団法人建築技術者普及教育センターのH.P.をご参照ください。
◇財団のH.P.を開くと、「資格試験」⇒「建築士:二級建築士試験」⇒「(1)受験をお考えの方:(1-6)過去の試験問題等」
 の手順で進んでいただければ、「問題と正答表」のダウンロード画面になります。
 もし開けられない場合は、問題文データの下記アドレスからアクセスしてください(学科Ⅰ・Ⅱだけです)。
 2k-2022-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)

〔No. 4 〕 採光、換気、天井高等の一般構造に関して、誤っている記述を選択する問題です。
正答 2
 1. 適合する。法19条1項ただし書き。原則、敷地は道の境界より高くする必要があるが、敷地内の排水に支障がない場合等、ただし書きに記述されている条件の場
  合、この限りではないとしている。
 2.適合しない。法28条1項、令20条2項:法28条に基づき、令20条において、有効採光面積の計算方法の記述があり、公園に面するものについては、算定するに当た
  り、その公園の反対側の境界線までに1/2だけ外側にあるとするとしており、その公園の反対側の境界線を隣地境界線として算定するのは、基準に適合しない。
 3.適合する。法28条の2第三号、令20条の8第1項一号イ(1):有効換気量は20㎥/h で適合する。
  必要有効換気量(Vr)=nAh
  n:居室の換気定数=住宅0.5、それ以外の居室0.3
  A:居室の床面積=16㎡
  h:居室の天井高さ=2.5m
  ∴0.5×16×2.5=20㎥・・・適合
4.適合する。法36条、令23条1項ただし書き、同2項3項:戸建て住宅の階段踏面は、15㎝でよく、回り階段の場合、踏面の狭い方の端から30cmの位置におけるものと 
 している。
5.適合する。法36条、令24条:踊り場を必要とするものは、令23条表(1)と(2)に該当するもの以外は、高さが3mを超えるものが対象であり、設問の高さ3mの階段に、
 踊り場の規定(令24条)の適用はない。
◇講評:「木造2階建て、延べ面積100㎡の一戸建て住宅」という条件を付けていますが、階段形状で、令23条の表(4)に該当させる為の条件設定のようです。今回の問題
 には含まれていませんが、令20条の3の機械換気を免除する設問が出た場合には、過去の出題確率も高いので、注意が必要です。正答となった肢問2の採光計算に関する 
 設問は、採光計算の図形問題の過去問をしっかり把握できていれば、簡単な問題であったと思います。

〔No. 5 〕居室の天井の高さを求める図形問題です。
正答 4
 欠損部分が無いとした場合の全体の容積:10×6×3=180㎥
 欠損(勾配天井の三角柱部分の断面積)4×1÷2=2㎡
 欠損(勾配天井)部分の容積:2×6=12㎥
 全体の容積:180-12=168㎥
 建築基準法上の天井高さ:168÷(10×6)=2.8 m ∴「4」
◇講評:H30年度の問題と、数値を変えただけの類似問題です。過去問をしっかり把握できている人には、簡単な問題だったと思います。居室の天井高を求める図形問題
 では、本問のように、出題図形の容積を求めて、床面積で除して求める問題では、個々にパーツに分解して容積を合算して求めていいし、解説したように、全体の容積
 から、欠損部分の容積を除して求めるやり方をしてもいいし、算数の世界ですので、自分のやりやすい方法で計算すればいいと思います。

2022年10月8日 by shrs(シュルズ) 建築適合判定資格者、一級建築士
コメント
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