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◇2025年(R7年)4月の法改正を機会に、試験問題の傾向から、理解促進の新たな方向性を考えます。
◇出題項目ごとの重点条項を絞り込み、把握すべき具体条項の方向性把握を図ろうと思っています。
【No.11:構造強度・構造計算の技術的基準の規定】
◇原則、「高さが4mを超える建築物」という設問は、令71条において適用範囲の限定範囲を示唆。
・令71条1項:第6節の規定は、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の場合に適用する。
・令71条2項:高さが4m以下かつ延べ面積30㎡以内の場合、令72条、令75条、令79条のみ適用。
・設問で関連する、令77条、令78条の2、令68条、令73条は、いずれも設問の適用範囲となる。
◇保有水平耐力計算(令81条2項一号イ)をした場合、仕様規定(技術的基準)の適用の是非を聞いている。
・令36条2項一号で、基準への適合を求めている仕様規定(技術的基準)が記述されている。
・かつ、かっこ書きに記述しているものは、「除く」としているので、適用しなくてもよいことになる。
・肢問1の柱の帯筋比は、令77条四号に該当し、かっこ書き内の基準なので、適用しなくてもよい。
・肢問2の耐力壁の厚さは、令78条の2第1項一号に該当し、かっこ書きには無く、適用が必要。
・2023年(R5年)で言うと、令77条六号(主筋の断面積の和)に該当し、かっこ書き内ので、適用が不要。
・2022年(R4年)で言うと、許容応力度計算の規定の遵守を要しないという肢問が3問出題されている。
◇限界耐力計算(令81条2項一号ロ) をした場合の仕様規定(技術的基準)の適用の是非を聞いている。
・令36条2項二号で、耐久性関係規定(令36条1項)への適合を求めている。
・肢問3のボルト等の令68条の技術的基準の適用は、令36条1項に含まれていないので、不要。
・肢問4の出隅部分の鉄筋形状の令73条の適用は、令36条1項に含まれていないので、不要。
・2023年(R5年)で言うと全ての肢問で出題されており、令65条、令78条、令75条、令66条が関連。
・2022年(R4年)で言うと、令82条の5を参照することを要求している。
◇ここ3年の出題傾向からも、保有水平耐力計算と限界耐力計算の規定は、重要事項と推察している。
◇令36条1項、同2項は、重点的に内容の把握が必要な事項と推察している。
2025年1月8日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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