◇2022年(R4年)の建築士試験について、木造建築士に引き続き、二級建築士試験問題についても、独断と偏見で解説を進めていきます。
◇二級建築士の来年(2023)年度)試験を受験される方に、少しでもお役に立てればと願っております。
◇昨年度(2021年)問題の解説の時には、傾向分析を表にまとめながら進めてしていきましたが、まず解説をしていきます。
◇記述するのは解説だけですので、問題文については、公開されています、公益財団法人建築技術者普及教育センターのH.P.をご参照ください。
◇財団のH.P.を開くと、「資格試験」⇒「建築士:二級建築士試験」⇒「(1)受験をお考えの方:(1-6)過去の試験問題等」
の手順で進んでいただければ、「問題と正答表」のダウンロード画面になります。
もし開けられない場合は、問題文データの下記アドレスからアクセスしてください(学科Ⅰ・Ⅱだけです)。
2k-2022-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)
〔No.12〕 都市計画区域内における道路等に関する誤っている記述を選択する問題です。
正答 3
1.正しい。法43条1項一号:敷地は、道路に2m以上接しなければならず、自動車専用道路は、その対象道路として除かれている。
2.正しい。法43条2項一号、規則10条の3第1項一号、同3項:原則、建築基準法上の道路として認められていない農道に対して、幅員4m、農道等の公共の用に供す
る、200㎡以内の一戸建て住宅等の認定条件を満たすものに認められている。
3.誤り。法85条:仮設建築物に対する制限の緩和規定で、防火地域外という条件付きだが、災害があった場合の非常災害区域等において、国、地方公共団体等が建築
するものは、災害が発生した日から1月以内にその工事に着手する応急仮設建築物について、建築基準法の規定は適用しないとしているので、2mの接道義務はない。
4.正しい。法42条1項二号、法44条1項一号:土地区画整理法による幅員8mの道路は、建築基準法上の道路であり、法44条1項の道路内の建築制限の規定で、同一号
において規制から除外されているので、特定行政庁の許可を受けることなく建築することができる。
5.正しい。法44条1項二号:建築審査会の同意を得て許可した場合に、道路内に建築することができる。
講評:法43条2項において、原則、道路として認めていない「農道等」の接道を認める認定制度を問う問題が挿入されています。規則10条の3を参照する必要があるの
で、注意です。
また、法85条の仮設建築物に関する設問が、No.7の構造規定の正答の肢問として出題され、本問でも正答の肢問として出題されていますし、本年の一級建築士試験問
題では、法85条に関する問題「NO.8」において仮設建築物への対応を問う問題(4肢問の全部)となっています。過去問でも、よく見かける条項ですので、今後、仮設建
築物に限った話ではないのですが、建築基準法の基準に関する適用の有無を問う問題が増えるのではないかとの懸念がありますので、注意が必要だと思っています。
〔No.13〕 新築することができる建築物を選択する問題です。
正答 4
1.新築できない。法48条1項、別表第2(い)項九号、令130条の4第二号:延べ面積600㎡以内のものは、建築できるが、700㎡のものは、建築してはならない。
2.新築できない。法48条2項、別表第2(ろ)項、同(は)項五号かっこ書き、令130条の5の3第三号:第二種低層住居専用地域内において、建築できるものに該当しない
ので、建築してはならない。なお、第一種中高層住居専用地域内において、2階建て床面積の合計が500㎡以内であれば、建築できる。
3.新築できない。法48条3項、別表第2(は)項、同(に)項四号:第一種中高層住居専用地域内において建築できるものに該当しないので、建築してはならない。なお、
第二種中高層住居専用地域内においても、別表第2(に)項四号に該当し、建築してはならない建築物となり、第一種住居地域内であれば、建築できる。
4.新築できる。法48条12項、別表第2(を)項七号、令130条の8の2第一号:工業地域内においては、床面積1万㎡を超えるものは建築できないとしており、設問の食堂
兼用住宅は、建築できる。
5.新築できない。法48条13項、別表第2(わ)項七号、令130条の6の2:バッティング練習場は、建築してはならない運動施設に該当し、建築してはならない。
講評:政令との参照で、特段難しい部分は含んでいないと思います。床面積と用途に関して、政令との参照で解答してゆくことを、こまめにすることが解決策であると思っています。
〔No.14〕図形問題で、新築してはならない建築物を選択する問題です。
正答 5
法91条:過半の敷地の用途地域規制による。
準住居地域の敷地面積:20×20=400㎡
第一種住居地域の敷地面積:20×10=200㎡
従って、法48条7項、別表第2(と)項の準住居地域の用途規制を受ける。
1.新築できる。別表第2(と)項の建築できない用途の建築物には、該当しない。
2.新築できる。別表第2(と)項の建築できない用途の建築物には、該当しない。なお、(へ)項五号に該当するので、第二種住居地域内においては、建築できないことに
なる。
3.新築できる。別表第2(と)項の建築できない用途の建築物には、該当しない。なお、別表第2(い)項、同(ろ)項には該当せず、第一種低層住居専用地域内、第二種低層
住居専用地域内では建築できない。また、(を)項六号、(わ)項一号に該当するので、工業地域内、工業専用地域内においても建築できない。
4.新築できる。別表第2(と)項の建築できない用途の建築物には、該当しない。なお、(い)項(ろ)項(は)項には該当せず、これらの用途地域では建築できない。また、第
二種中高層住居専用地域内においても、別表第2(に)項四号に該当し、建築してはならない建築物となり、第一種住居地域内であれば、建築できる。かつ、(を)項二
号、(わ)項一号に該当するので、工業地域内、工業専用地域内においても建築できないことになる。
5.新築できない。別表第2(と)項五号:客席の床面積が200㎡以上のものは、建築できないとしており、設問のものは、建築できない。
講評:二級建築士試験の特有の問題なのか、同様の図形問題が、毎年出題されています。一番のポイントは、法91条に規定する「過半の敷地の用途地域規制による」という条件で選択することです。その時に、敷地面積の計算を間違えないようにすることではないでしょうか。
2022年10月14日 by shrs(シュルズ) 建築適合判定資格者、一級建築士
◇二級建築士の来年(2023)年度)試験を受験される方に、少しでもお役に立てればと願っております。
◇昨年度(2021年)問題の解説の時には、傾向分析を表にまとめながら進めてしていきましたが、まず解説をしていきます。
◇記述するのは解説だけですので、問題文については、公開されています、公益財団法人建築技術者普及教育センターのH.P.をご参照ください。
◇財団のH.P.を開くと、「資格試験」⇒「建築士:二級建築士試験」⇒「(1)受験をお考えの方:(1-6)過去の試験問題等」
の手順で進んでいただければ、「問題と正答表」のダウンロード画面になります。
もし開けられない場合は、問題文データの下記アドレスからアクセスしてください(学科Ⅰ・Ⅱだけです)。
2k-2022-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)
〔No.12〕 都市計画区域内における道路等に関する誤っている記述を選択する問題です。
正答 3
1.正しい。法43条1項一号:敷地は、道路に2m以上接しなければならず、自動車専用道路は、その対象道路として除かれている。
2.正しい。法43条2項一号、規則10条の3第1項一号、同3項:原則、建築基準法上の道路として認められていない農道に対して、幅員4m、農道等の公共の用に供す
る、200㎡以内の一戸建て住宅等の認定条件を満たすものに認められている。
3.誤り。法85条:仮設建築物に対する制限の緩和規定で、防火地域外という条件付きだが、災害があった場合の非常災害区域等において、国、地方公共団体等が建築
するものは、災害が発生した日から1月以内にその工事に着手する応急仮設建築物について、建築基準法の規定は適用しないとしているので、2mの接道義務はない。
4.正しい。法42条1項二号、法44条1項一号:土地区画整理法による幅員8mの道路は、建築基準法上の道路であり、法44条1項の道路内の建築制限の規定で、同一号
において規制から除外されているので、特定行政庁の許可を受けることなく建築することができる。
5.正しい。法44条1項二号:建築審査会の同意を得て許可した場合に、道路内に建築することができる。
講評:法43条2項において、原則、道路として認めていない「農道等」の接道を認める認定制度を問う問題が挿入されています。規則10条の3を参照する必要があるの
で、注意です。
また、法85条の仮設建築物に関する設問が、No.7の構造規定の正答の肢問として出題され、本問でも正答の肢問として出題されていますし、本年の一級建築士試験問
題では、法85条に関する問題「NO.8」において仮設建築物への対応を問う問題(4肢問の全部)となっています。過去問でも、よく見かける条項ですので、今後、仮設建
築物に限った話ではないのですが、建築基準法の基準に関する適用の有無を問う問題が増えるのではないかとの懸念がありますので、注意が必要だと思っています。
〔No.13〕 新築することができる建築物を選択する問題です。
正答 4
1.新築できない。法48条1項、別表第2(い)項九号、令130条の4第二号:延べ面積600㎡以内のものは、建築できるが、700㎡のものは、建築してはならない。
2.新築できない。法48条2項、別表第2(ろ)項、同(は)項五号かっこ書き、令130条の5の3第三号:第二種低層住居専用地域内において、建築できるものに該当しない
ので、建築してはならない。なお、第一種中高層住居専用地域内において、2階建て床面積の合計が500㎡以内であれば、建築できる。
3.新築できない。法48条3項、別表第2(は)項、同(に)項四号:第一種中高層住居専用地域内において建築できるものに該当しないので、建築してはならない。なお、
第二種中高層住居専用地域内においても、別表第2(に)項四号に該当し、建築してはならない建築物となり、第一種住居地域内であれば、建築できる。
4.新築できる。法48条12項、別表第2(を)項七号、令130条の8の2第一号:工業地域内においては、床面積1万㎡を超えるものは建築できないとしており、設問の食堂
兼用住宅は、建築できる。
5.新築できない。法48条13項、別表第2(わ)項七号、令130条の6の2:バッティング練習場は、建築してはならない運動施設に該当し、建築してはならない。
講評:政令との参照で、特段難しい部分は含んでいないと思います。床面積と用途に関して、政令との参照で解答してゆくことを、こまめにすることが解決策であると思っています。
〔No.14〕図形問題で、新築してはならない建築物を選択する問題です。
正答 5
法91条:過半の敷地の用途地域規制による。
準住居地域の敷地面積:20×20=400㎡
第一種住居地域の敷地面積:20×10=200㎡
従って、法48条7項、別表第2(と)項の準住居地域の用途規制を受ける。
1.新築できる。別表第2(と)項の建築できない用途の建築物には、該当しない。
2.新築できる。別表第2(と)項の建築できない用途の建築物には、該当しない。なお、(へ)項五号に該当するので、第二種住居地域内においては、建築できないことに
なる。
3.新築できる。別表第2(と)項の建築できない用途の建築物には、該当しない。なお、別表第2(い)項、同(ろ)項には該当せず、第一種低層住居専用地域内、第二種低層
住居専用地域内では建築できない。また、(を)項六号、(わ)項一号に該当するので、工業地域内、工業専用地域内においても建築できない。
4.新築できる。別表第2(と)項の建築できない用途の建築物には、該当しない。なお、(い)項(ろ)項(は)項には該当せず、これらの用途地域では建築できない。また、第
二種中高層住居専用地域内においても、別表第2(に)項四号に該当し、建築してはならない建築物となり、第一種住居地域内であれば、建築できる。かつ、(を)項二
号、(わ)項一号に該当するので、工業地域内、工業専用地域内においても建築できないことになる。
5.新築できない。別表第2(と)項五号:客席の床面積が200㎡以上のものは、建築できないとしており、設問のものは、建築できない。
講評:二級建築士試験の特有の問題なのか、同様の図形問題が、毎年出題されています。一番のポイントは、法91条に規定する「過半の敷地の用途地域規制による」という条件で選択することです。その時に、敷地面積の計算を間違えないようにすることではないでしょうか。
2022年10月14日 by shrs(シュルズ) 建築適合判定資格者、一級建築士