一人想うこと :  想うままに… 気ままに… 日々徒然に…

『もう一人の自分』という小説を“けん あうる”のペンネームで出版しました。ぜひ読んでみてください。

2009-10-05 18:23:43 | 日記・エッセイ・コラム
 桃栗三年、柿八年、と言うけれど、庭の片隅に生えてきたこの栗の木、なんだかんだと言って実がなるのに十年かかった。

Kuri13


 実はこの栗の木、うちで植えたわけではない。
隣の家に大きな栗の木があったのだが、その栗の実がうちの庭に落ちてきて、発芽し育ったものだ。
ただ、ここまでなるのに大変だった。
毎年雪の下になり、折れたり曲ったり。
十年かかってやっと実がなった。

Kuri23


 地面に落ちているのを拾うと、イガが破れて中からふっくらとした実が見えている。
勝手に生えてきた栗の木でも、ちゃんと実がなるんだね。

 うちに生えてきた栗の木の親木はすでにもうない。
隣に住んでいた爺さんが他界したあと、土地家屋は売りに出され、あっという間にブルがきて手入れの行き届いた庭もすべて根こそぎ整地されてしまった。
丹精こめられた庭も、大きな栗の木もすべて・・・
ああいうのを見ると、本当に悲しくなるね。
でも、あの大きな栗の木は、ちゃんと子孫をうちの庭に残した。
そう思うと、なんだか楽しい。
秋だね。


コメント (2)
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