I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

黄島探険記 その4

2007年04月30日 | 五島のお話

                 いよいよ洞穴の中へ!

急な岩場を下り、熔岩海岸まで出ると、ぽっかりと口を開けた熔岩洞穴が現れました 入り口は少し広くなっていて、天井も背の高い大人でも届かないほど高くなっています。

       

入口には不動明王と思われる2体の石像が立っていて、まるで洞窟の中にある何かを守っているかのようです。この先にいったい何があるんだろう

洞窟の中は真っ暗なので、フラッシュを焚いて撮影しました。すると、壁面が白くキラキラと輝いているのが分かります。中はすこしひんやりとしていて、よく見えませんでしたが足下には所々水が溜まっているようでした。

                   

道の両側にはこのようなロウソクが置いてありました。今回は懐中電灯を持参しましたが、なければこのロウソクに火を点けながら進んでいくのかな?それもまたおもしろそう!

これは洞穴の壁面です。山口県の秋芳洞のようにつららのようなカタチの立派な鍾乳石はありませんが、どうやら徐々に垂れ下がってきているようです

       

先に進んでいくと、案内板の解説にもあったように、高さ1mほどの場所もありました。頭を低くしながら前へ前へと進んでいきます。足下がぬかるんでいる場所もあるので、懐中電灯で足下を照らしながらゆっくりと進みます。

       

ここが例の40度の傾斜がある場所。ちょうど入り口から100mほど入ったところにあります。懐中電灯で照らしても先がほとんど見えず、かなり不気味な雰囲気なので、川漁師さんが前回2人の娘さんと下見で訪れた時はこれ以上進まなかったそうですが、11人いれば大丈夫 みんなで急な坂道を手を使いながら上っていきます。

        

40度の傾斜を上りきったところにあったのは、なんと祭壇でした!どうやら御大師様が祀られているようです。普段はいっさい光が入らない洞窟の奥に、こんなきらびやかな祭壇があるとは本当に驚きでした。 一人じゃ絶対来られない場所です

                   

真っ暗でお顔は見えませんが、奥に鎮座しているのはおそらく弘法大師だと思われます。島の人が定期的にお参りしているのかな?

                   

ちゃんと手水鉢もありましたよ。この水は自然に溜まったものなのでしょうか?とってもきれいな水でした 祭壇の横から覗いてみると、洞窟はまだまだ続いていて、一説にはここで鶏を放したところ、福江島の富江にある洞窟から出てきたといいます。もし、それが本当なら、黄島と福江島は海の下で繋がっているということになります。それってすごくないですか ロマンだなぁ~

                   

祭壇のあった場所から先は、さすがに行けそうになかったので、そこでUターン。帰りも頭をぶつけないようにっと。

入口に戻ってきました! ずっと真っ暗な洞窟の中にいたせいか、外のあかりがとってもあたたかく感じました

                   

外に出てみると、私の右足はなんと泥まみれ 天井や壁面に気をとられ、足下の水たまりに全く気付かなかった私は、ぬかるみに足を取られてしまったのです。みんなで同じ場所を通ったのに、ここまで汚れていたのは私だけでした 川漁師さんの長女sakuraちゃんの靴はこんなにきれいなのに~ みなさんも洞窟に入る時は足下にご注意を

ふと見ると、洞窟のすぐ表に一本のクワの木が生えていました。こんな熔岩の塊の中で、しかも潮風の強い悪環境の中でも成長できるものかと、植物の生命力に改めて感心させられました。地球って、火山の噴火や地震などによって破壊を繰り返しながらも、こんなに力強い野生の植物たちによって環境が維持されているんですね

自然が創りだした黄島の熔岩洞窟は、想像以上に神秘的かつ魅力的な場所でした 一人では怖くて絶対に行けませんが、みんなで行ったら本当に楽しいです!こんな体験はなかなかできないと思いますよ。みなさんもぜひ自然の神秘に酔いしれてみて下さい。オススメですよ~

『黄島探険記その5』へ続く


黄島探険記 その3

2007年04月30日 | 五島のお話

                 いざ、熔岩洞穴へ!

遊歩道の途中から海側へ出る道へ入ると、緑のトンネルが現れます。この先に今回のメインである熔岩洞穴があるのだとか。一体どんな洞窟なんだろう 一歩一歩進むたびに自然と胸が高鳴ります

        

緑のトンネルの中は何とも言えない神聖な雰囲気が漂っています。何かを祀ってあるのかしら?

        

トンネルを抜けると、目の前に広大な海が現れました!

                 

この辺りに案内板があり、ここから洞穴の方へ下っていきます。黄島の熔岩洞穴は県の天然記念物に指定されており、案内板には以下のような説明が書かれてありました。

黄島は面積1.47㎢の火山島で、火山砕屑岩(さいせつがん)と熔岩から構成されている。島の東部には、標高91mの噴石丘が形成され、径400mの円弧状火口があり、火口底やその周囲には火山弾が散在している。

この島の東部から南部にかけての海岸は、玄武岩の溶岩流が高さ20~30mの崖を形成し、厚さ1~2mの溶岩流が10数枚重なって露出する。崖面には、多数の熔岩洞が見られるが、指定の熔岩トンネルは海面2mの高さのところに開口し、北に向かってほとんど一直線に延びている。これは、火山活動によって噴出した柔らかい玄武岩溶岩が波打ちながら流れ出る際、溶岩の表面と下部が固結して、内部の固結していない溶岩が流出して空洞を形成したものである

奥行きは132m、トンネルの高さは1~7.2m、幅員は2~5.75m。底は前半50mまでがほとんど水平で、その先は次第に高くなり、入口より90~100mの間は40度の傾斜になっている。

模式的溶岩トンネルで、内部の壁面には流痕、鍾乳石が見られる。

ふむふむ、なるほど。つまり溶岩が通ったあとにトンネルが形成されたというわけか。40度の傾斜って書いてあるけど、40度っていったらけっこう急な上り坂ですよね その先は一体どうなっているんだろう?    

           

熔岩洞穴へと続く道は、ご覧の通りとても急になっているので、ロープを伝いながら慎重に下っていきます。これがまためっちゃ楽しい!身の軽い子どもたちは先頭を切ってどんどん下っていきます。 

                   

熔岩海岸が見えてきました。洞穴はもう目の前!

       

来ました!これが熔岩洞穴への入り口です 

いよいよここから洞穴探検が始まります!

『黄島探険記その4』へ続く


黄島探険記 その2

2007年04月30日 | 五島のお話

                    春の黄島には珍しい花がいっぱい!

島の約半分を占める番岳をぐるりと一周できる遊歩道を歩いていると、たくさんの新緑と春の花々が目に飛び込んできます。途中に小さな沼のような水たまりも2ヶ所あり、それぞれの住人が姿を現してくれました

                   

1ヶ所目の沼では、大きなウシガエルを一匹発見!少し距離が遠かったので写真に納めることはできませんでしたが、肉眼では捉えることができましたよ。

                    

2ヶ所目には1羽のカモの姿が!仲間とはぐれちゃったのかな

                    

新緑の中にはクワ科のクワの木もたくさんありました。こちらはクワの実。まだ緑色ですが、しばらくすると黒く色づき、食べられるようになります。ジャムにするととっても美味しいそうですよ もう少ししたら採りに行ってみようかな?

                   

こちらは黄島にたくさん咲いていた花。今まで見たことがない花で、名前は分かりません。真っ赤な花びらの中に、白い模様が入っているのが特徴で、ちょうど今が満開の時期のようです

こちらは以前紹介したサトイモ科のムサシアブミ。今回は川漁師さんが仏炎苞(ぶつえんほう)を割って中身を見せてくれました。仏炎苞の裏はきれいな縞模様で、中には棒状の肉穂花序(にくすいかじょ)があり、花粉を運んでくれる虫をうまく捕らえる仕組みになっています。しかもあとで分かったことですが、雄花と雌花ではその仕組みが少し異なっており、効率よく受粉する仕組みができあがっているようなのです。(くわしくはコチラ!)

                   

こちらはトベラ科のトベラ。海岸にはえる常緑低木で、とってもいい香りがします。「トベラ」という名前は、「トビラ」が訛ったもので、節分にこれを扉に挟み、鬼を払うことにちなむのだそうです。

                   

みなさんの関心を最も引いていたのが、このアケビ科のアケビ。というのも、ご覧の通り、雄花と雌花のカタチが異なっているからです。どちらもおもしろいカタチをしてますよね!「アケビ」という名前の由来には様々な説があるようですが、中でも『ムベは開かないが、アケビは開くから「アケウベ」→「アケビ」となった』という説を覚えておくと、アケビとムベの特徴を一度に覚えられていいかもしれませんね (→去年嵯峨島(さがのしま)でいただいたムベの写真はコチラ!)

       

黄島の遊歩道は、子どもたちの興味を次から次へと惹きつける野生の植物でいっぱい しかし今回は、子どもたちよりもむしろ大人たちの方がその魅力に取り憑かれていたようです。思いがけないものを発見した時の目の輝きは、大人でも子どもでも同じなんですよね!川漁師さんのネイチャーガイドを聞きながら、シニアのみなさんの目がキラキラと輝いていたのがとても印象的でした

今回の黄島探険のメインである熔岩洞穴にはまだまだ辿り着きません 次回をお楽しみに~

『黄島探険その3』へ続く