I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

県民の森の植物たち

2007年11月17日 | 山のお話

          なんだこりゃ~!?

「何もない」と言われている場所ほど不思議なものがあるものです。

父と二人で県民の森を散策していて、まず最初に目に留まった植物は、ハマウツボ科のナンバンギセル(南蛮煙管)。ススキの葉の中にひっそりと隠れるように咲いていました。

                 

ナンバンギセルは、その名の通りキセル(煙管)を立てたような形をしています。形もさることながら、この植物のおもしろいところは、ススキ、ミョウガ、サトウキビなどの根に寄生するというところ。このような植物は寄生植物と言われ、葉緑素を持たず、光合成ができないため、他の植物に寄生して栄養分をもらっているのです。植物にもいろんな生き方があるものですね!

                 

こちらは秋の七草のひとつ、キク科のフジバカマ(藤袴)のように見えますが、どうやら同じキク科のヒヨドリバナ(鵯花)のようです。花の形はどちらも非常によく似ていますが、葉に違いがあり、フジバカマの葉は三つに深く切れ込むのに対し、ヒヨドリバナの葉は切れ込みがないのが特徴なのだそうです。

                 

花びらの長さが3枚は短く、残りの2枚は長いこちら植物はユキノシタ科のダイモンジソウ(大文字草)。きれいな沢の近くにたくさん咲いていました。名前の由来は、花の形が「大の字」に似ているから。わかりやすいでしょう?写真では大きく見えますが、実は指の先ほどしかないとっても小さな花なんですよ。ダイモンジソウを見つけたら、遠くからではなく、間近でよくよく観察してみてください。その愛らしさに、ほっと優しい気持ちになれますよ~

                 

ちょっと変わった形の花でしょう?こちらはグミ科のグミ(茱萸)。私の実家にも昔グミの木があって、その実がなるのを毎年楽しみにしていましたが、花の方には全く興味がありませんでした。真っ赤な実と比べるとちょっと地味な花ですが、よく見るとおもしろい形をしていますよね~

        

黄色い小さな花を穂状につけているのは、キク科のアキノキリンソウ(秋の麒麟草)。「秋に咲くキリンソウ」という意味で、花が泡立つように咲くことからアワダチソウとも言われています。みなさんご存じの帰化植物、セイタカアワダチソウと同属の植物ですが、一つ一つの花はアキノキリンソウの方が大きいようです。

                 

「ちょっとちょっと!!あれはいったい何!?」

薄暗~い林の片隅に、この不気味な植物を発見した時は、本当に驚きました。

この奇妙な植物はラン科のツチアケビ(土木通)。見た目はちょっと、いや、かなり気持ち悪いですが、これも自然が創り出した立派な植物なんです。最初に紹介したナンバンギセルと同じく、ツチアケビも光合成をする葉を持たないのですが、こちらは他の植物に寄生するのではなく、菌類と共生して栄養をもらっているのだそうです。このような植物は腐生植物と言われ、私が一度は見てみたいと思っている真っ白なギンリョウソウ(銀竜草)も同じ腐生植物です。植物も生きるためにいろんな工夫をしてるんですね~。ちなみに、ツチアケビの名誉のために言っておきますが、ランの仲間だけあって花はきれいなんですよ(花の写真はコチラ→ツチアケビの花

何にもない県民の森に住む多種多様な植物たち。

私たちと同じように、彼らにもそれぞれ豊かな個性があり、周りの環境に適応しながら、強くたくましく生きています。森を歩くときは足下や頭上に注意しながらゆっくりと歩いてみてください。きっと驚くような発見と感動がありますよ~