心の旅紀行

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シーク教問題でインドとカナダの関係が悪化

2023年10月04日 | 世界

今年の6月にカナダでシーク教徒が暗殺された事件がありました。カナダはしっかりした証拠をつかんだのかどうかわかりませんが、インド政府が暗殺に関係したと発表しました。これにインドが反発し、カナダも引き下がらず、関係がこじれる一方で、双方、外交官を追放し合う事態になっています。ロシアのウクライナ戦争や、中国の押せ押せ外交に対応するため新興国インドと先進国関係強化が必要なのに先進国の一国カナダがインドとの関係を悪くしています。

シーク教は日本ではなじみがなく、日本人はほとんど知らないと思います。私もよく知りません。16世紀初め、現在のデリーの北西部の、インドとパキスタンにまたがるパンジャーブ地方のラホール(現在パキスタン)を拠点として、ナーナクという人が、イスラム教に感化され、ヒンドゥー教の改革を掲げ、一神教信仰、偶像崇拝の否定、カーストの否認などを説きました。当初は平和主義でした。ナーナクを師(グル)として、弟子たちはグルの弟子(シーク)としてグルの教えを守ることからシーク教と呼ばれるようになったそうです。教徒は次第に集団的な結束を強め、独立志向を強め、外からの弾圧に対抗するようになったそうです。19世紀には北西インドの一大勢力となり、シーク王国を建国し、帝国主義のイギリスと戦争もしました。

イギリスに勝てず、統治されましたが、教団の維持は認められました。

1980年代、教徒の中に過激派が生じ、インドからの独立を主張しました。当時のインディラ・ガンディー首相は認めず、実力で独立運動を押さえました。このことが原因で首相はシーク教徒に暗殺されました。

現在シーク教徒が、イギリス、アメリカ、カナダ、東アフリカ、香港などに多くいるそうですが、これはインドがシーク教徒の独立運動を弾圧したせいではなく、パキスタン側でおこった迫害が主な原因だと言われています。

現在、シーク教徒は2200万人ぐらい、パンジャーブ地方に1000万人ぐらい、そのほかの地に1200万人ぐらいいると言われています。ラホールの近く、インド側のアムリットサルに壮大な金色の総本山(ゴールデンテンプル)を維持し、現代でも団結は強いようです。勤勉、勇敢が特長で、実業家、軍人で成功する人が多く、社会的地位は高い方だそうです。

現代も教団はインド社会を未開と批判していると思います。カナダもインド社会を問題にしているでしょう。インドは新興国ですが、幸福度は非常に低いと悪評です。

 


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