退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界

2015-01-06 14:27:58 | 韓で遊ぶ


眉を書く人

どこから見ても眩しく美しい女性がいました。
そんな彼女には隠したい秘密が一つ!それは眉毛がないということでした。彼女がある男性を好きになりました。彼女はいつも濃い化粧で眉を書いていましたが、いつ消えるかと心配で一日に何度も鏡を見なければなりませんでした。
とうとう二人の愛が結実する日、彼女は幸せだったのですが不安でした。結婚式が終わるまで、眉に全神経を集中させなければならないからです。結婚式は無事に終わりました。
その日から、彼女はいつも夫よりも早く起きて眉を書きました。眉がないことを夫に知れたら失望するかもしれないと心配したからです。
掃除をしても洗濯をしても、汗が出ると眉は消え、女性はその度にまた書きました。
「うん、チゲおいしいね。君の料理の腕は最高だ!」
夫は妻の眉に対しては一言も言いませんでした。
3年と言う歳月が流れたある日、不幸が彼女を襲いました。順調だった夫の事業がだめになりあっという間に路頭に迷うことになったのです。
夫婦は荷物をまとめ貧民街の粗末な家に引越しをしました。
2坪あまりの粗末な一間でした。天が落ちて土が消えるようなことであったとはいえ、嘆いてばかりもいられませんでした。
夫婦は気を取り直して新しい仕事を探しました。
最初にした仕事は練炭の配達でした。
リヤカーを夫が引いて妻が押して一生懸命仕事をしました。しかし、妻は顔に練炭の粉が付いても、汗が流れても拭くことができませんでした。眉がないことを知られるのが怖かったのでした。
その時、夫がリヤカーを止めて妻に近づいて来ました。そしてタオルで妻の顔を拭いてやりました。消えるかと心配な眉の部分には少しも触りませんでした。
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