退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界

2015-01-18 06:11:05 | 韓で遊ぶ


家を出た息子

小さな山間の村に一人の農夫が住んでいました。
家族と言えば、12歳になる息子と牛一匹だけでした。ある日の夜、あることで息子をひどく叱りました。胸が裂けるくらい痛かったのですが、息子のふくらはぎをムチ打ってしまいました。
「あやあ、痛いよ、、、」
「またこんなことがあったら、家を追い出されると思え。」
父は息子を厳しく叱りました。
しかし、息子は訳もかからずに、まず叩く父が憎く耐えることができませんでした。恨む気持ちが収まらず涙ばかりあふれました。
「ううう、、、」
次の日の朝、農夫は日が高くなっても起きてこない息子を起こしに行きビックリしました。
「こいつ何時だと思って、まだ、、、あれ!」
息子の部屋はがらんとしていました。息子はいなくなってしまったのです。
その日から万事を放って四方八方息子を探し、会う人ごとに息子を見なかったかと尋ねました。
「家のトッペを見なかったか。」
「もしや家のトッペを見なかったか。」
父は声を上げて泣きながら息子の名前を呼びました。
「トッペや、、トッペや。」
世の中の何よりも大事な息子を、大したことでもないことで叱った自分が悔やまれました。しかし、後になって後悔しても仕方ありません。いくら探しても息子の行方は五里霧中でした。
何日か後に、父は何かを決心したかのように見えました。そしてしまいに、彼は市内の中心街にある有名商店に行って、その前に大きな看板を立てました。
看板にはこんな文が書かれていました。
「愛するトッペや、家に帰ってきなさい。明日の朝、ここで会おう。」
次の日の朝、彼は震える心で看板を立てた商店の前に行きました。
ところが、、、その看板の前には意外にもトッペという名前の少年が7人も来ていました。皆、家出をした子供たちでした。
その中には、ふくらはぎをムチで打たれたことが悔しくて、父を捨てて家を出た彼の息子のトッペもいました。
「トッペ。」
他の子供たちの間から、どうしても出てくることができずにいたトッペが、ひょっこりと姿を現しました。
「お、お父さん。」
「トッペや、こいつ。」
二人は互いに固く抱き合いました。息子のトッペは失望とうらやましさが混じった他の子供たちの視線を後ろにしたまま、父の胸に抱かれました。
コメント
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