退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界

2015-01-15 07:17:41 | 韓で遊ぶ


世の中で一番おいしいラーメン
彼は一人で7歳になった息子を育てる父親です。
子供が友達と遊んでいて怪我をして帰って来る様な日には、死んだ妻の存在がどんなに大きいか、、、ピューと胸に風が吹き抜ける人。
彼が子供を置いて遠くへ出張に行かなければならなかった日のことです。
彼は汽車時間に追われ、子供の朝ごはんも準備して食べさせることができずに、あたふたと家を出ました。
ご飯は食べたのだろうか、泣いていないだろうか、汽車に乗っている間もずっと気がかりでした。彼は出張先からも、何回も電話をかけ、息子はその度に大丈夫だと心配しないでと、なかなかしっかりしたことを言いました。
ですが、いずれにしても不安で、仕事をしたようなしないような、急いで終わらせ家に帰った時、息子は居間のソファーでぐっすりと寝ていました。
「ほー、こいつ誰かが背負って連れて行ってもわからないね。」
眠っていた子供を自分の部屋に寝かせた後、安堵感と疲労が一緒になって押し寄せ、緊張が解けた彼はベッドに横になろうとしてびっくりしました。
ベッドの上にはふやけたカップラーメンが掛け布団の下においてあったのです。
「まったく、あいつは。」
彼は怒って息子の部屋に行き、いきなり寝ている息子の尻を叩きました。
「お前は何でお父さんをがっかりさせるんだ。あんないたずらをして布団は誰が洗うんだ。」
妻が死んでから子供をぶったのは初めてでした。
まさにその時、つっけんどんに子供が言いました。
「いたずらをしたんじゃない。こ、これはお父さんの夕飯なんだ。」
父が帰ってくる時にあわせてカップラーメンを2つ作り、ひとつは食べて、お父さんの分は冷めるかと布団の下に置いたのでした。
彼は、ただ言葉を失い、泣いている子供をぐっと抱きしめました。
汁はすっかりこぼれて、
半分残ったふやけたラーメン。
それは世の中で一番おいしいラーメンでした。

http://www.supil.com/b-story/b-story06.htm
コメント
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