ライチョウ(Lagopus mutus) Rock Ptarmigan
下界ではジメジメとした暑さがうっとうしいこの季節、未だ銀世界の広がる高山へ行っていました。はじめ、半袖半ズボンでいた私は避暑を通り越した“凍え”を味わう事になるのでした。
特別天然記念物のこの鳥は、前々から見たいと思っていた。けれど踏みとどまっていたのは、登山の経験がほぼない私にとってライチョウを見るなど今のままでは到底不可能だと思っていたからである。猛吹雪の止まない冬山の頂上で遭難しかけながら砂浜に落ちた一粒の砂金を探すがごとく一面銀世界の中に座り込んだ白いライチョウを探すのか、はたまた幾重にも連なる峰をテントを背負い込み何日もかけて踏破したその先にある花園でやっと見られる鳥だ、などと思い込んでいた私には幼い頃に自然番組の見すぎで偏ったイメージが植えつけられていたようだ。
残雪の山を望む岩の上で、なわばりを見張る雄。
あまりにも画になる光景である。
ペアの雄は、雌が食事中の時の見張りにも余念がない。
別の雄が少しでも縄張りに侵入して来ようものならば、ゴァァァ!という凶悪な鳴き声とともに飛び立ち、追い払いにかかる。
威厳に満ちた表情。我はここに在り、という感じ。
【2010/06/20/富山 Toyama,Japan】