秋めく与那国島

2013-10-06 22:09:33 | 鳥(Birds)


ヨナグニウマと東崎


2012年の10月末に、初めての与那国島へ渡った。

往路の10月27日は全国的に大荒れの天候で、石垣発の小さな飛行機の機体は風に煽られ怖いぐらいにガタガタと揺れた。
その飛行機の機内から見えてきた与那国島は、今まで訪れた他のどの南西諸島とも違う形をしていた。島の周りは黒い断崖が囲み、台地状に盛り上がった土地には畑が多く、森は中央部の山並みのあたりにのみ見えた。東の端の辺りははどういうわけか綺麗に丸刈りになっている。

踏みしめた初上陸の与那国島は風が吹き荒れていて、とても私を歓迎してくれているような雰囲気ではない。しかし春秋の八重山といえば不安定な気候が代名詞になるくらいで、もはや私は慣れっこになっていた。そんなことよりこの悪天がどんな鳥を運んでくるのかと思うとむしろ心躍るのだった。
初日は嵐の中、島を概観する程度で大した結果も無く終了。こんな日は鳥もブッシュの中でじっと体力温存しているのだろう。



マミジロタヒバリ(Anthus richardi richardi) Richard's Pipit


昨日の嵐が嘘のように穏やかな10月28日の朝。
夜明けの東崎にはたくさんのマミジロタヒバリとツメナガセキレイが入っていて、体力回復のための餌取りに夢中だった。
与那国島には東西2つの岬があり、それぞれ日が昇る東崎(アガリザキ)、日の入る西崎(イリザキ)という名が付いている。
この東崎は実際に来てみるとやはり飛行機から見た時のように草が綺麗に短く刈り込まれていて、いかにもヤツガシラやセキレイ・タヒバリ類が好みそうな環境になっているのだが、その理由はすぐにわかった。テキサスゲートで区切られた東崎には与那国馬が放牧されていて、彼らが食むことでここの草丈は一様に短く保たれていたのだ。
その中でもトゲのあるツルアダンの群落は食べられずに残り、不思議な光景を作り出していた。



【Yonaguni Is. (与那国島) Okinawa, Japan/27-28th Oct. 2012】