その魚が一歩を踏み出す時

2010-10-07 22:35:23 | 魚(Fishes)

ムツゴロウの仲間(Bolephthalmus sp.)

オオハリオを見て満足した後は、またいつもの河口へと足を運んだ。
強風で鳥がいない中、マングローブの泥地に出ていたのはこのムツゴロウの仲間。
はむはむと左右に首を振りながら、ハマシギみたいに泥表面のバイオフィルムを一生懸命食べる。食べながら少しずつ移動して、別の個体と鉢合わせるとどちらかがもう一方を追い立てていた。2匹鉢合わせた時にどちらも進路を譲らない場合は、双方大口を開けて威嚇し合い、迫力負けした方が引き下がる、というおもしろい行動に出た。
属は違うけれど、例えば同じマッドスキッパーのミナミトビハゼなんかは人が近づくと水陸関係なしにピョンピョンと凄いスピードで一目散に逃げ出すところ、このムツゴロウの仲間は私が近づいてもさほど気にせずに採餌を続けてくれた。私は日本のムツゴロウをまだ見たことがないから、行動をじっくり近くで観察できるというのは何か新鮮な感じがした。




この見事な第一背鰭は、彼らの気持ちの変動により開閉する。
他の個体が近づいた時や、ヨイショと身を大きく翻す時などには背鰭が開くのだ。





私達が宿泊していた格安・快適なロッジには愉快なスタッフがいた。
初め、ロッジの敷地内に車を駐車した時にこのスタッフやってきて、「(駐車料金)100リンギット!!」と申すのだ。私は面食らって「えっ!?」と一瞬戸惑い、値段交渉をしようかと考えていると、そのスタッフのにやけた顔を見てそれが冗談だと気付いた。「それってジョークでしょ?」と笑って言うと、「ちぇっ」とワザとらしく悔しそうなそぶりを見せてスタッフは去った。
その後も、会うたびに(もちろん冗談で)「100リンギット!」と言ってくるので、私達の中でのあだ名が「100リンギットさん」になっていた。
この日私達は日本に帰るため、ロッジの受付でかなり遅めのチェックアウトをとり行っていた。するとまた例のスタッフがやって来て、初めは「今日帰るの?」などと和やかな会話をしていたが、私達のチェックアウトがかなり遅いことを知ったスタッフはいきなりワザとらしく血相を変えて、「Now!?」そしてお決まりの「100リンギット!!」。私達は「ひぃーゴメンナサイ」と笑いながら言って逃げ回った。
最後に、私達がちゃんと掃除をして空けた部屋をチェックしたスタッフに笑顔で「Good!」と言われた時にはちょっぴり嬉しかった。

楽しかったマレーシア、ランカウイ島の旅もこれで終わり。
次に来るなら、やはり1月から3月の間がベストであろう。その時にはチャガシラハチクイやアカガシラサギ、タカサゴクロサギ、イワミセキレイなんかも見られるに違いない。
必ず、いつかまた来よう。


2010/08/08/マレーシア Langkawi,Malaysia

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