干潟と学会と

2012-09-18 23:01:09 | 鳥(Birds)


ミヤコドリ(Haematopus ostralegus osculans) Eurasian Oystercatcher


土曜日には久しぶりにしんや先輩とY君とともに三番瀬へ。
特に何を求めるでもなく何となく干潟に集合したため、シギチはこれといったエースは見られず仕舞いだった。それでもたくさんのミユビシギが集団で採餌する様は何度見ても癒される光景だし、オオソリが近くに舞い降りればドキッとさせられた。たまにはこういうのも良い。
シギチ達はもう殆どが冬の装いで、セミが鳴き日焼けするほどの陽気のなかでも季節の確かな移り変わりを感じずには居られなかった。
さてこの3人寄って話す内容と言えば最近のお互いのことに始まり、カメラのこと、カメラ以外のフィールド装備のこと、そして最近行った遠征の話やこれからの遠征の予定。
特にこの2人が最近行ってきた場所のことでは我を忘れて話し込んでしまい、干潟のど真ん中で先輩お手製の図鑑を広げてはあの鳥はスゴイこの鳥はムズイと30分以上も談話会が開かれた。
帰りの電車の中ではもう、私の頭の中はウォーレシアの熱帯雨林で一杯。近いうちにどこかジャングルで鳥見をしないとどうやらこの熱は収まりそうにない。






月曜日には日本鳥学会にコッソリ訪れた。自分の名前が一応載ったポスターを横目に、友人に取り置いてもらった「日本鳥類目録第7版」を無事入手。
リュウキュウサンショウクイやチュウダイサギなど様々な亜種が種に格上げされているだろうと期待していたけれど、種になったのはメボソムシクイの亜種だけだった。
他の変更点は、いくつかの目が解体されたり科が増えたり統合されたり。
オオムシクイの声は聞いたことがあるが姿は未見のため、結局この改定により私のライフリストは増えなかった。

そして何といっても見逃せないのは、実に30年ぶりに公開されたというカンムリツクシガモの剥製だ。
ポスター会場から10分も歩くほど遠い、農学部の全く反対側にある博物館へ入ると、奥の区画中央に凛と佇む雌雄のカンムリツクシガモが展示されていた。ラベルには採集場所が朝鮮半島と書いてある。
カンムリツクシガモのことを初めて知ったのは、小学生の時分に学研の鳥図鑑を読んだ時のことだ。ドードーやリョコウバトとともに “絶滅種” として並ぶその姿は、幻の鳥というイメージとともに強烈に脳裏に焼きついている。
私はこれでも、「カンムリツクシガモはまだどこかに生きている」派の人間なので、小学生の時から変わらずこの絶滅種を「見つける気満々」だ。幼い頃図鑑の絵で見て、今剥製でこの鳥を見ている。そして、その剥製のガラス眼を見つめて私は改めて生きているコイツに会いたいと思った。

この小さな博物館に並ぶ棚はかなり良い感じに古びていて、そこに眠る標本を最高に引き立てる。
棺桶に眠るヤンバルクイナのタイプ標本、ズグロヤイロチョウ...
中でもヘルメットオオハシモズの形態にはド肝を抜かれた。嘴がヒロハシ類のそれとは比べ物にならないくらいにゴツイのだ。
さらに驚いたのが、ドードーの胸骨と跗蹠の一部の実物が展示されていたこと。これにはあまりに不意を付かれて、思わず小さな感嘆の声をあげてしまった。








【Chiba(千葉),Japan/15th September, 2012 ; Tokyo Univ. (東京大学) Japan/17th September, 2012】


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2 コメント

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Unknown (しんや( ・▲・))
2012-09-19 15:16:12
あれ、メボソくらいなの!?
ハチジョウツグミとかも無し?

かなり意外だ・・・。
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改訂 (コウ)
2012-09-20 23:26:09
>しんや( ・▲・)(・▲・ )先輩

ハチジョウツグミとかも無しでした....。
前から期待していたので、少しザンネンです。

土曜日は最高に楽しかったです!ウォーレシアの話を聞いて本当に良い刺激を受けました。干潟に居ながら意識は抜け出してインドネシア行ってましたからね(笑)
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