印度×高麗

2010-09-12 20:53:08 | 鳥(Birds)

インドトサカゲリ(Vanellus indicus) Red-wattled Lapwing


いつも遠くから特徴的な声で警戒してきてはすぐに飛んで行くインドトサカゲリも、自分と人との間に何か阻むものがあれば少しは安心するようだ。
この時も公園の池が私とインドトサカゲリの間にあったため、少しは近づくことを許してくれた。
それから空港の滑走路脇を通る道路横の芝生には高確率で居た。これは、この道路に少しも路側帯がなくて交通量もなかなか多いために車がほとんど止まることがないから安心して採餌できる、ということを彼らは学習しているに相違ない。







コウライウグイス(Oriolus chinensis) Black-naped Oriole


公園の背の高い並木はコウライウグイスたちの塒になっているようで、夕方に歩くと「ホィホヘ、ホィホヘ!」と鳴き交わす声が聞こえた。オーストラリアで見たキミドリコウライウグイスもそういえば同じような声で鳴いていた記憶がある。
とてつもなくシャイな鳥のようで、小群で行動している時にも林冠部に潜行していることが常で、飛翔は見えても木にとまった瞬間に即行潜る、といった感じ。この派手過ぎる色を自分で気にしているのだろうか?

今年の5月に、国内の離島で血眼になって探しても結局見つからなかったバナナが、こんなにもあっさり見られてしまうなんて。ここでは松の枝や特徴的な笹などにはとまっていない。


2010/08/04/マレーシア Langkawi,Malaysia

モーニング・クロウ

2010-09-11 20:11:27 | 鳥(Birds)

イエガラス(Corvus splendens) House Crow

ハシブトガラスよりもずっと小柄なこのカラスは、ずいぶん控えめ。鳴き声もあまり大きくなく、朝夕にしか姿を見なかった。この淡色型の灰色の羽色はなんともシックで落ち着いた雰囲気を醸し出している。
ゴミバコがすぐ近くにあったけれど、私が見ている前では特にそれを漁ることなく2、3羽で和やかに遊んでいた。対してインドハッカは大挙してゴミバコに集い、騒がしく鳴き交わす。







キタカササギサイチョウ(Anthracoceros albirostris) Oriental Pied Hornbill

街の公園にサイチョウ、というのは初めはとても不自然に思えた。

公園を歩いていて何やら木が騒がしいと近づいてみると、巨大な白黒のキタカササギサイチョウが何羽も頭上を飛んで行くところに遭遇した。木から木へと飛ぶ時は殆ど羽ばたかず、その優雅な飛翔をたっぷりと見せてくれたのだった。
キタカササギサイチョウの群れがいた木をよく見ると、多数の小さな実がなっていた。これはサイチョウやリスなどが好んで食べるイチジク属の木、日本で言うイヌビワの類であった。
彼らはあらかじめイチジクやヤシ類の実のなる場所を知っていて、例えばラヤ山のようなねぐらからこのような公園へと餌を食べに来るのであろう。


2010/08/04/マレーシア Langkawi,Malaysia

グヌン・ラヤの夜

2010-09-10 23:53:57 | 両爬(Amphibia&Reptiles)


トッケイヤモリ(Gekko gecko) Tokay Gecko


おそらく2日前と同一個体のこのトッケイは、2日前に逃げられた時、特に深追いをしなかったためかまた全く同じ場所に出てきて餌になる虫を待ち構えていた。その後もほぼ毎晩、私達が見るたびに出てきてはいたけれど、その大半は少しでも近づこうものなら一瞬で姿を眩まされる結果となった。本当にものの一瞬で、パッと手品のようにこの巨体が消えるほどに素早く。
そういえば、名前の由来になった声は聞かなかった。



Limnonectes sp.

水路でクァクァと鳴いていた。ということはここの沢はカエルだらけか、と思いきやこの個体の他には殆ど見つからなかった。






ミスジパームシベット(Arctogalidia trivirgata) Small-toothed palm civet

暗闇の中で、ムシャムシャと果実を食べるミスジパームシベット。この個体はスステンみたいな体色をしているけれど、全身が一様にチョコレート色をしたものもいるようだ。
しばらく食べ続けた後、長い尾でバランスを取りながらゴジュウカラのように木を下り、隣の木へと移った。


2010/08/03/マレーシア Langkawi,Malaysia


塒は電線

2010-09-09 23:49:23 | 鳥(Birds)


カノコバト(Streptopelia chinensis) Spotted Dove


新たなポイントを探すべく勘まかせで集落を移動してみたけれど、なかなか難しい。特に民家の周辺は、道が車一台やっと通れるぐらいの広さしかないのにもかかわらず原付や車が結構通るため、すれ違うのにも一苦労である。
少し開けた場所に出ると、カノコバトが電線に群れていた。

ひらひらと上空をマレーアナツバメが飛ぶ。




カザリオウチュウ(Dicrurus paradiseus) Greater Racket-Tailed Drongo


またまた伝説公園に足を運ぶ。今日のカザリオウチュウはシルエットのみ。




キバラタイヨウチョウ(Nectarinia jugularis) Olive-Backed Sunbird


メジロのようにせわしなく動くキバラタイヨウチョウも、たまには止まってじっくり羽づくろいをする。




インドハッカ(Acridotheres tristis) Common myna


“インドハッカのくせに”すぐ逃げるインドハッカも、たまにはこちらをしげしげと見てきたりする。




伝説公園の並木道



コガネゲラ(Chrysocolaptes lucidus) Greater Flameback


ラヤ山へ。
今日もまたどこか遠くからボウシゲラの声がする。
「チュィ」というメジロみたいな声の主は真っ赤なキゴシタイヨウチョウで、ペアで行動しいていた。




アカメチャイロヒヨ(Pycnonotus brunneus) Red-eyed Bulbul




ルリコノハドリ(Irena puella) Asian Fairy Bluebird


とんでもない青色をした成鳥は、河口上空を直線的に飛んで遠くのマングローブにとまると、すぐに鳴き始めた。



2010/08/03/マレーシア Langkawi,Malaysia


そのウッドペッカー、世界最大

2010-09-08 07:31:17 | 鳥(Birds)

ボウシゲラ(Mulleripicus pulverulentus) Great Slaty Woodpecker

ラヤ山は訪れる度に新しい出遭いに溢れている。
昼過ぎから登り始めても電線にとまるリュウキュウツバメとブッポウソウしかいないのか、と思っていると、山の中腹あたりにある実のなる木にホオアカコバシタイヨウチョウの群れが来ていた。よく見ると、全くもってニホンイモリ色をしたミケリスがいる。カニクイザルも。
「ズィ、ズィー」と、苦虫を噛み潰したような声で鳴きながら2羽で行動していた小さな鳥は、ムナフムシクイチメドリだった。
オオサイチョウが真上を飛ぶと、空に下弦の月が2つ出たのかと見間違えそうなほど大きな翼帯が見える。

夕方、森の谷がよく見渡せる場所で休んでいると、「キョキョリョッ、キョキョリョッ!」と軽快でリズミカルな声が聞こえてきた。なんだなんだと辺りを見渡していると、その声は連続したままだんだん大きくなってきた。すると、よく目立つ立ち枯れの木に大型のキツツキがとまった。1羽、また1羽......やがて4、5羽まで同じ木にとまると、キョキョリョッ、キョキョリョッ!と鳴き止んだ。ボウシゲラだ。
西日に光った曇り空を背景にボウシゲラの巨大キツツキシルエットが浮かび上がり、辺りはつかの間の静寂に包まれた。

そしてまたボウシゲラ達は鳴き交わしながら遠くの尾根へ飛び去っていった。
日本のコゲラが桜並木の1本から1本に飛び移るぐらいの軽い感覚で、熱帯雨林の超巨木の間を飛び移りながら。



キュウカンチョウ(Gracula religiosa) Hill Myna



シロマブタザル


2010/08/02/マレーシア Langkawi,Malaysia