7月に見つけた野草の花
トサノクロムヨウラン(土佐の黒無葉蘭)
Lecanorchis nigricans Honda var. patipetala Y.Sawa
ラン科 ムヨウラン属
花 期 : 7~8月
生育地 : 常緑広葉樹林床
分 布 : 関東以西
RL指定 : なし
撮影 7月~8月 大分県
クロムヨウランとトサノクロムヨウランは長く混同されてきたが、クロムヨウランの花が一度も開花せず落下する事と、花の形態が異なる事で、トサノクロムヨウランと区別された
光合成を行わず、花も咲かないものが果たして植物と言えるのだろうか?
植物の定義に関しては、いまだ諸説あり、定まっているとは言えない状況だと思っている
古くは、ホイッタカーが光合成を行う多細胞生物を植物と定義したが、これではクロムヨウランのような菌従属栄養植物は植物ではない事になる
この画像は、植物地理・分類研究に掲載されたものです
現代の植物に対する考えの一つに、植物とは、その祖先が、かつて一次共生色素体を持っていた生物だとするものがある
一次共生とは、真核生物が光合成能力を獲得したシアノバクテリアごと細胞内に取り込み、自己の一部として共生させたもので、その際獲得したものが色素体である
一次共生植物は3群で、緑色植物、紅色植物、灰色植物が知られている
クロムヨウランのような色素体を持たないものであっても、その祖先は、葉を持ち光合成を行う緑色植物であったのだ
引用)古今東西の植物の定義:これは植物ですか?と聞かれたら (仲田崇志)
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