7月に見つけた野草の花
ホンゴウソウ(本郷草)
Sciaphila nana Blume
ホンゴウソウ科 ホンゴウソウ属
花 期 : 7~10月
生育地 : 落ち葉の堆積する暗い林床下
分 布 : 関東以西
RL指定 : 環境省絶滅危惧Ⅱ類
撮影 7月~8月 長崎県
2014年に作成した図鑑では、学名S.japonica、日本固有種と記していたが、すでに2008年時点で、海外のS.nanaと同一との見解が示されていた
しかし、S.nanaとは別物で、種内分化により、複数種に分けられる可能性があるとの意見もある
ホンゴウソウは、陸上植物の約8割が菌根を形成するAM菌と共生している
共生菌は木本へ無機栄養を供給する見返りに、木本から炭素を得ており、相利共生関係を構築している
一方、ホンゴウソウは、共生菌から栄養を搾取し、なにも与えていないと考えられている
菌は共生する植物を監視し、見返りが少ない場合、与えるものを減らすそうだが、ホンゴウソウがどのように菌をだまして一方的に利を得ているのかは、非常に興味深いところである
木本と共生する菌は、腐朽菌と比較して多くの栄養を安定して得ること事ができる
よって、ホンゴウソウのように小さな植物から少量の栄養を奪われる事を気にしていないのかもしれない
ちなみに、ホンゴウソウはGlomus group Aに属する菌と特異的に共生しているとの報告がある
初版 2014年7月25日
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