西九州自動車道を平戸方面に走り、終点の佐々ICが近づくと、山頂付近に岩を抱く存在感抜群の山が見えてきます。
場所は長崎県北松浦郡佐々町の志方免付近。
ココをクリックすると地図を確認できます。
国土地理院の地図には山名は表記されていませんが、山頂には三等三角点「割石」が設置されています。
以前山麓で地元の方に山の名前を訊ねると、「鬼の橋」と呼んでいるとの事。
昔は樹木も低く、もっと岩が露出していた事でしょうから、さぞかし鬼の橋に見たんでしょうね!
今は樹木に隠れてますが、実は山頂の前面にずっと岩が連なり、さながら山城の石垣のように山頂への侵入を拒んでいるんです。
登山道はありませんが、以前何度か登った事があり、今回登りは経験のあるルート、下りは初のルートに挑戦。
とある場所から尾根に取りつきます。
登るに従いかなりの急勾配となるのでひと苦労。
フデリンドウがまだ遠い春の訪れを待っている。
山頂目前で、難攻不落の山城のように岩壁が立ちはだかります。
正面突破は無理なので、山の東に回り込み岩の切れ目から侵入。
写真では臨場感がないのですが、非常に急勾配で転がり落ちそう。
山頂域は灌木の密林で歩きにくい。
岩上では景色が一望できますが、南向きの岩は常に逆光で写真のクオリティーはいまいち(≧◇≦)
ミヤマウズラの葉はいつ見ても美しい。
一応山頂の「割石」にご挨拶しておきましょう。
あの藪の中にありますよ~
三等三角点「割石」
朽ち果てた基本測量の杭が物悲しい。
岩場に戻り、くつろげる広い岩の上でランチ。
人のこない山は静かでいいですよ(*^^)v
正面は逆光がきついので霞んでる。
スッポンのような岩
帰りは山の西側の岩の割れ目から脱出。
岩壁をへつって帰りの尾根まで移動。
岩のテラスから下降開始。
最初は藪がキツイのですが、徐々に歩きやすくなる。
下は美しい雑木林。
途中少し迷いましたが、予定通り志方川に到着。
ちょっと歩き足りないので、田園地帯を歩き古川岳遊歩道へ向かいます。
古川岳連山の縦走路は、最強の超低山と言わしめる程厳しいアップダウンを繰り返すシゴキの道です。
登山訓練に使われる方もいるんですよ
鬼の橋の山麓を歩き、椎葉谷へ入ります。
この椎葉谷の山道は、昔は鳥屋城の城道でした。
堀切りのあった鞍部で道は左右に分かれます。
右へ進むと鳥屋城跡ですが、テレビ塔が立ち並び興ざめですので左へ登る。
すると前岳到着。
次は古川岳連山最高峰の降神岳へ。
降神岳山頂下は岩壁が取り囲んでいます。
岩壁をへつるように遊歩道が続く。
この岩壁には波の浸食の跡が残っており、太古の昔ここは海であり、その後隆起して現在の高さにあると考えられる。
この上にベンチが置いてあり、そこから遊歩道を外れ山頂稜線へ取りつき、荒れた道を登って行く。
ここが降神岳山頂で、三尊岳とか古川岳と呼ばれる事が多い。
山頂には977年に山尊大明神が祀られ、その後358年もの間、人々の信仰の対象であったとの事。
山頂の先には尾根が続いており、この尾根は峠を経て鬼の橋の山頂まで連なっている。
尚、その峠には林道が通っており、鬼神峠と勝手に名付けました。
遊歩道のベンチまで戻り、一旦下り、また急登。
中岳展望台に到着。
佐々の街並みが良く見えます。
下方に見えるのは、佐々川。
シロウオ漁と河津桜で有名です。
正面の山は韮岳。
ちょっとまったりした後、遊歩道を降りて下山しました~
鬼の橋はわずか265m程の超低山ですが、岩場からの展望が素晴らしく、また山麓の自然林が美しい山です。
登山道はありませんが、地元の方は「昔は良く登ったものじゃ」と言っておられました。
どこかに登り易いルートがあるのかもしれませんね。
それではさようなら(=゚ω゚)ノ