9月に見つけた野草の花
ヌルデ(白膠木)
Rhus javanica L. var. chinensis (Mill.) T.Yamaz.
ウルシ科 ヌルデ属
花 期 : 8~9月
生育地 : 山野、林縁、攪乱地
分 布 : 北海道~九州
RL指定 : なし
撮影 9月 大分県
ヌルデシロアブラムシがヌルデの葉の翼に形成する虫こぶは、五倍子とよばれ、タンニンを多く含み、お歯黒、白髪染め、インクの原料や漢方薬などに用いられてきた
虫こぶの形成メカニズムには、幹細胞の誘導、維持に関する遺伝子や、花器官形成遺伝子群が関係していると考えられている
花器官の形成は、ABCモデルとして提唱されており、E遺伝子発現後、A遺伝子発現でガクが、AとBで花弁、BとCで雄蕊、Cで雌蕊が形成されるというものである
ヨモギやヌルデの虫こぶでは、EAC遺伝子が高発現し、B遺伝子は低発現で、ガクと雌蕊の発達と、花弁と雄蕊の退化を示唆している
つまり、ガクが硬化して外殻となり、雌蕊が幹細胞となり餌となる
ヌルデシロアブラムシからは、植物ホルモンのオーキシンやサイトカイニンが高濃度で検出されているが、虫こぶ形成を誘導する物質は未同定である
ヌルデに虫こぶが形成されると、ヌルデの光合成効率が上がり、外敵に対する抵抗性を持つようになる事がわかり、虫こぶ誘導物質を、植物の成長促進剤や病害抵抗剤に利用する事が期待される
初版 2013年9月13日
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