5月に見つけた野草の花
アワモリショウマ(泡盛升麻)
Astilbe japonica (C.Morren et Decne.) A.Gray
ユキノシタ科 チダケサシ属
花 期 : 5~6月
生育地 : 内陸の渓流の岩上
分 布 : 本州(中部)~九州
RL指定 : 大分県準絶滅危惧種
撮影 5月 大分県
昨日、不明のチダケサシ属としたものは、アワモリショウマとします
アワモリショウマの葯の色は、白~クリーム色という先入観があり、ここでの赤~青紫色の葯を持つ個体は違っていると勘違いしていました
図鑑を確認したところ、掲載されているアワモリショウマの葯の色は赤~青紫色でした
九州における分布状況は、大分県の他、熊本県、宮崎県(九州の野の花 春)、大分県レッドデータブックでは、大分県、宮崎県となっている
大分県では、準絶滅危惧種に指定されており、県内分布は、豊後水道後背地域、大野川上流域、祖母・傾山地、北川上流域となっている
葉は2~3回3出複葉、長楕円形で葉先はとがり、基部はくさび形
チダケサシ属は、東アジアと北米に隔離分布し、東アジアでの種分化が顕著であり、特に日本においては地域的な固有種や固有変種が多く知られている(AKIYAMA 2011)
アワモリショウマは日本固有種で、九州、四国、本州(静岡県以西)の渓谷の岩上などに生育する
小葉は、他のチダケサシ属植物と比較して細長く流線型で、渓流植物ともみられている(TAMURA et al. 2001)
アワモリショウマの草丈は、50~80cmであるが、草丈が9~17cmと小さく、小葉や花弁も矮小なものが、2011年にチャボアワモリショウマとして新種発表された
これらは、栽培を継続しても矮小な性質は変化せず、遺伝的に固定していると考えられる(AKIYAMA 2011)
今回、私が観察した自生地にも非常に矮性の個体が見られたので、継続して観察を続けたい
初版 2024年5月26日
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