11月に見つけた野草の花
ヤッコソウ(奴草)
Mitrastemon yamamotoi Makino
ヤッコソウ科 ヤッコソウ属
花 期 : 10~12月
生育地 : 常緑樹林内
分 布 : 四国、九州南部、沖縄
RL指定 : 宮崎県絶滅危惧Ⅱ類
撮影 11月 宮崎県
ヤッコソウは、ブナ科の木本の根に寄生する植物で、菌糸状の器官が宿主の根の中に侵入し、宿主の組織内で成長する内部寄生植物である
寄生された根は、地表付近に広がり、宿主の組織内に生じた花は、宿主体を破って伸長し地上に出現、雄性期を経て雌性期に至る雄性先熟
雄性期を終えると、花粉を有する葯帯がある雄蕊筒を脱ぎ捨てて雌性期を迎える
花から出た蜜は、鱗片葉の基部に溜り、それを捕食する為に、ポリネイターが頭部を挿入する
雄性期の個体であれば、その際に頭部へ花粉が付着し、次に雌性期の個体を訪れた際に、受粉させる事になる
ポリネイターは、スズメバチ、ゴキブリやカマドウマ類と異色の顔ぶれ
これらは、発酵物を好むもので、ヤッコソウの蜜は酵母を多く含み、発酵臭を放つ事でこれらの虫をおびき寄せるようなのだ
尚、カマドウマが送粉に関わっているという発見は世界初だそうだ
屋久島では、サワガニの訪花が確認されており、ヤッコソウの花粉や蜜を利用しているとの事で、おそらく送粉にもかかわっているのだろう
引用)Social wasps, crickets and cockroaches contribute to pollination of the holoparasitic plant Mitrastemon yamamotoi (Mitrastemonaceae) in southern Japan
初版 2019年11月04日
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