花追い放浪記

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フジバカマ(サワフジバカマかも)

2019-10-22 | コウの花図鑑

大分県の湿潤な場所で、フジバカマのようなものを見つけたのだが、茎が赤みを帯びており、上部の葉が3深裂しているのでサワフジバカマのようにも思える

いずれにしても、おそらく園芸品の逸出であろう

現在フジバカマは、その生息地を追われ、環境省準絶滅危惧種となってしまったのだ

サワフジバカマは、フジバカマとサワヒヨドリの交雑とされているが、園芸用として用いられたものが、逸脱する事もありうる

実は、園芸用として流通しているフジバカマは、サワフジバカマである事が多いとの記述が見られるのだ

サワフジバカマの総苞片の先は円頭ではなく、やや尖っており、背面に毛があるそうだが、この個体は、総苞片の先は円頭で、背面無毛

その点で、フジバカマの特徴を持ち合わせていて、正直サワフジバカマなのか、フジバカマなのか良くわからない

尚、サワヒヨドリの葉も3深裂する事があるが、この個体は短い葉柄があり、それではない事が判る

 

フジバカマは、長崎には自生せず、佐賀、福岡では絶滅

大分県の自生状況は良くわらからないが、大分県のレッドリストには記載がないところをみると、分布していないのかもしれない

フジバカマの自生地は、河川の氾濫原のような、増水時に攪乱を受ける場所である

氾濫により、夏季に地上部を失っても、早急に回復することができるそうで、その性質により、上記のような場所での生育が可能となったのだろう

そのような自生適地は、河川の改修で、フジバカマの生育に適さない環境に変化しているようだ

 

日本に生育するフジバカマは、昔中国から渡来し、栽培されたものの逸出であると言われている

しかし、非常に自然度の高い草地で、普通に帰化植物が繁殖しないような場所にも自生しており、全てが逸出とは考えにくい

また、種子は不稔のものが多く、長い走出枝により繁殖する為、広い範囲に逸出するのは難しいと言えるのでは?

 

学名:Eupatorium japonicum Thunb.

和名:フジバカマ(藤袴)

キク科 ヒヨドリバナ属

環境省準絶滅危惧種

初版 2019年10月22日

記事アップロード 2022年10月9日

画像アップロード 2022年10月4日