大分県の湿潤な場所で、フジバカマのようなものを見つけたのだが、茎が赤みを帯びており、上部の葉が3深裂しているのでサワフジバカマのようにも思える
いずれにしても、おそらく園芸品の逸出であろう
現在フジバカマは、その生息地を追われ、環境省準絶滅危惧種となってしまったのだ
サワフジバカマは、フジバカマとサワヒヨドリの交雑とされているが、園芸用として用いられたものが、逸脱する事もありうる
実は、園芸用として流通しているフジバカマは、サワフジバカマである事が多いとの記述が見られるのだ
サワフジバカマの総苞片の先は円頭ではなく、やや尖っており、背面に毛があるそうだが、この個体は、総苞片の先は円頭で、背面無毛
その点で、フジバカマの特徴を持ち合わせていて、正直サワフジバカマなのか、フジバカマなのか良くわからない
尚、サワヒヨドリの葉も3深裂する事があるが、この個体は短い葉柄があり、それではない事が判る
フジバカマは、長崎には自生せず、佐賀、福岡では絶滅
大分県の自生状況は良くわらからないが、大分県のレッドリストには記載がないところをみると、分布していないのかもしれない
フジバカマの自生地は、河川の氾濫原のような、増水時に攪乱を受ける場所である
氾濫により、夏季に地上部を失っても、早急に回復することができるそうで、その性質により、上記のような場所での生育が可能となったのだろう
そのような自生適地は、河川の改修で、フジバカマの生育に適さない環境に変化しているようだ
日本に生育するフジバカマは、昔中国から渡来し、栽培されたものの逸出であると言われている
しかし、非常に自然度の高い草地で、普通に帰化植物が繁殖しないような場所にも自生しており、全てが逸出とは考えにくい
また、種子は不稔のものが多く、長い走出枝により繁殖する為、広い範囲に逸出するのは難しいと言えるのでは?
学名:Eupatorium japonicum Thunb.
和名:フジバカマ(藤袴)
キク科 ヒヨドリバナ属
環境省準絶滅危惧種
初版 2019年10月22日
記事アップロード 2022年10月9日
画像アップロード 2022年10月4日