6月に見つけた野草の花
ヒロハネム(広葉合歓)
Albizia julibrissin Durazz. var. glabrior (Koidz.) H.Ohashi
マメ科 ネムノキ属
花 期 : 5~6月
生育地 : 海岸林、道路法面などの攪乱地
分 布 : 奄美大島~九州西岸 五島列島、対馬
RL指定 : 長崎県準絶滅危惧種
撮影 6月 長崎県
ネムノキ属は、主に熱帯~亜熱帯に分布し、日本は自生北限である
日本には、ネムノキ、オオバネムノキ、ヒロハネムの3種が分布している
ヒロハネムは、1931年に熊本県天草郡苓北町富岡で発見され、ネムノキの変種とされた
産地は、奄美群島~九州西海岸を長崎県対馬まで点在しており、九州東海岸には分布していない
いわゆる九州西廻り分布植物であり、その定義は、南方系の植物で、琉球列島、九州南部から九州西部を北上分布し、九州東部には分布していないものである
亜熱帯性植物の分布の北限を決定すると考えられる冬の寒さを示すいくつかの指標は、いずれも九州西部が九州南部に匹敵することを示しており、この地域に島や半島が多く、対馬暖流の影響を受けやすいことに原因があると考えられる
2015年には、長崎県佐世保市俵ヶ浦町亀の子島で新たに発見され、幼木も含めて22株が生育している
ヒロハネムは、道路の法面など攪乱された立地にイヌビワやアカメガシワなどと共に亜高木林または低木林を構成し、クサギ-アカメガシワ群団に属する群落を形成する
ヒロハネムとネムノキの区別点は小葉の大きさだ
発見者である、川内野氏の資料を参照すると、ネムノキの小葉は、長さ10~17mm 幅4~6mm
ヒロハネムは、長さ15~20mm 幅5~9mmとなっている
ヒロハネムの葉
ネムノキの葉
小さな亀の子島に自生するヒロハネム
亀の子島については、以前記事を書いていますので下記のURLを覗いてみてください
https://blog.goo.ne.jp/kippoushi2017/e/cab1132d02362dee643988e5744c6c8f
初版 2021年7月10日
記事アップロード 2023年6月13日
画像アップロード 2021年7月10日