花追い放浪記

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イチヤクソウ コウの花図鑑

2023-06-19 | コウの花図鑑

5月に見つけた野草の花

 

イチヤクソウ(一薬草)
 Pyrola japonica Klenze ex Alef.

 

ツツジ科 イチヤクソウ属

花 期 : 5~7月

生育地 : 低山の林床、林縁

分 布 : 北海道~九州

RL指定 : なし

撮影 5月 長崎県

 

イチヤクソウは、非常に暗い森の奥で花を咲かせている事があり、菌への依存に関する情報を聞きかじった事がある

今回、論文を拝見し、イチヤクソウと菌の関係について知見を広め、図鑑を更新する事にした

尚、過去作成した図鑑は、すでに改定された古い情報や自生地の位置情報まで含まれており、非公開となっているので、今後内容を見直した上で再公開する予定にしております

 

イチヤクソウ属植物は、アーブトイド菌根を形成し、自らの光合成生産物に加え、根系に定着する菌根菌を通じて周囲の樹木から光合成産物を獲得する部分的菌従属栄養植物であるが、菌への依存度はそれほど高くないと考えられている

菌根菌は担子菌門の外生菌根菌で、細胞外構造(菌鞘、ハルティヒネット)に加えて植物細胞内に菌糸コイルを形成する

菌糸コイルの形成率は、生育地の上層林による被覆が多くなる時期に高くなり、林床の光環境が悪くなる条件下で菌根形成を活発化させ、特に根の先端部で多く行なうと考えられる

イチヤクソウ属植物は、種子発芽時には菌への特異性を持つが、親個体では、菌への特異性が低くなり、生育環境に応じて周囲の菌と菌根を形成し、周辺樹木と菌の共有を可能にしていると考えられる

 

イチヤクソウは草丈15~25cm程の多年草

細い地下茎は短く、その先に数枚の葉が集まってつく

葉身は卵状楕円形または広楕円形で、細かな鋸歯があり、葉裏はしばしば紫色を帯びる

総状花序をつけ、3~10個の花がつく

 

初版 2013年5月29日

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