花追い放浪記

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オトコオミナエシ コウの花図鑑

2021-09-11 | コウの花図鑑

9月に見つけた野草の花(大分県)

 

オトコオミナエシ(男女郎花)

  Patrinia x hybrida Makino

 

スイカズラ科 オミナエシ属
花期 : 8~10月
生育地 : 山地の林縁、草地、路傍
分布 : 北海道~九州
RDB指定 : 環境省カテゴリ:なし 大分県:なし

 

山地の道路を歩いていると、コンクリートの法面にオトコオミナエシが生えていた
過去のブログに何度も投稿しており、オトコエシとオミナエシの交雑種だと言ってきたが、オトコエシの6倍体であるようだ
オトコオミナエシの自生地付近には、オトコエシは見られるのだがオミナエシは自生していないのでおかしいとは思っていた

 

動物の染色体は通常2倍体が普通だが、植物の場合倍数体が存在するのが普通である
オトコエシはとりわけ倍数体が発達しており、2倍体、4倍体、6倍体、8倍体、9倍体、10倍体、12倍体が存在するようだ
尚、もっとも一般的と考えられる4倍体とそれ以外の倍数体は、遺伝的に異なる要素をもっているようだ

 

日本及び韓国は、地理的に大まかに3つの遺伝グループに分けられるそうで、その中の西日本系統、特に九州においては高い変異性が確認されたようだ
同じ集団内にも、異なる倍数体が存在し、倍数体間の交雑が容易に発生する環境といえる

 

オトコエシの遺伝子調査の中で、オトコエシとオミナエシは遺伝的に明らかな違いがあり、オトコオミナエシに関しては完全にオトコエシの変異に含まれる事が分かったそうだ
調査の結果、6倍体においては、通常白色の花に混ざって、黄色の花が出現するとの事だ

参照資料
著しい種内倍数性を示すオトコエシ(オミナエシ科)に関する系統地理学的解析

 

今回見つけたオトコオミナエシは全体に黄味がかっていて、周りの植物とは異質な感じを受けた
葉身は通常のオトコエシよりも細くて、葉脈のへこみが深いように感じる

 

法面の上の方には、私の背丈ほどもありそうな大株が生えていた
オミナエシとの関連はないという事が分かったからには、オトコオミナエシという名は返上した方がよいのかもね

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