9月に見つけた野草の花(大分県)
コウリンギク(紅輪菊)
Senecio argunensis Turcz.
キク科 キオン属
花期 : 8~10月
生育地 : 山地のやや湿り気のある草地
分布 : 大分県
RDB指定 : 環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠB類 大分県:絶滅危惧ⅠA類
昨年は早朝に訪れ、朝露まみれの花を撮影するはめになったので、今年(2021年)は午後の訪問
あいかわらず何の変哲もないありふれた野菊のように見える
自生分布は現状大分県のみとなっているようで、大陸系遺存植物で九重火山分布型とされていたが、すでに消滅した可能性が高いと記載されていた
確認されている生育地は、極めて希で、個体数も僅少。生育地一帯は放牧地として利用され、道路にも接しているため攪乱され、あるいは採取されて、絶滅の危険性が極めて大きい
河川沿いの草原で、毎年野焼きされる。生育範囲は極めて狭く、辛うじて生育を維持している
(大分県レッドデータブックより)
コウリンギクは、大分県のみに分布するキク科キオン属の多年草
草丈は60~150cm、茎は直立し、上部で多数分枝する
根出葉は開花期には枯れ、茎葉は羽状に深裂し独特の形状、向軸面を観察すると短毛がまばらに生えていた
黄色の頭花は直径2~2.5cm 小苞片は線状披針形で基部には毛が生える
総苞の拡大図
深裂する独特な茎葉
昨年10月中旬に自生地を訪れるとコウリンギクはすっかり刈り取られていた
おそらく満足に種子を散布できなかったのではないかと思われ、このような事が繰り返されると種の存続は厳しい状況となるように感じた