to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

神様、もう少しだけ

2009-04-30 22:25:58 | TV dorama
1998年夏クールのフジテレビ火曜日ドラマ
脚本 浅野妙子
演出 武内英樹、田島大輔、岩本仁志、西浦匡規
音楽 S.E.N.S
【主題歌】『I for you』 LUNA SEA
【挿入歌】『In the Sky』、『きらら』 工藤静香
出演 金城武/深田恭子/加藤晴彦/仲間由紀恵/矢沢心/田中有紀美/竹下宏太郎/平田満/田中好子

過去の傷を引き摺り、生きることに傍観的な音楽プロデユーサー・石川啓吾と
生きるということの意味を手探りしていたイマドキの女子高生・叶野真生が出会い、
その運命的な一夜に、もう少女がHIVに感染していたことから、
数々の困難な壁を乗り越える姿を描く、「生と死」「愛と勇気」を問うラブストーリー。
第4回「最後の愛を失った時少女は…」
自分のせいで、啓吾がHIVに感染したのでは?という不安から開放された安堵感と、
これでもう啓吾は健康な“別世界の人”となった―、寂しい諦めの真生。
気持ちを断ち切るように家路に向かう夜の街で、あのテレクラの男に遭遇する。
男は自分がキャリアだと知らずにいたことを真生に告げ、誤るが、
仕方がなかったとはいえ、その孤独な生活、弱り方に激しい悲しみと絶望が真生を襲う・・・


この回は、イジメを受けながら苦しみ、疎外感を募らせる真生と、
今なお、リサの死の悲しみから立ち直れず、深刻なスランプに苦しみながらも、真生を気遣う啓吾の姿が描かれます―。

真生へのイジメはエスカレートする。その事に、偶然母親が気づき問いただすが、
「なぜイジメられているのか」なんて言えない。
母親の裏切りを許せない思いもあり、反抗的な態度に出てしまう。

通学路で紙スプレーを頭からかけられ、くやしい思いを放り投げた缶とともに吐き出す真生・・・
麻美に縁切りをした公園で、ひとりベンチで過ごす彼女の姿・・・
そんな彼女の姿を啓吾がじっとみつめていて、、ついに真生の前に現れる啓吾。。
ラーメンでも食いに行こうか
 暫くラーメン見る度にこのセリフ
ここは、ノックアウトでしょう~。真生とともに幸せになりました
ただ、この時の真生の「マズイんじゃない?」「私は普通じゃないんだよ?」と啓吾を気遣うセリフが、
後に現実の二人の運命を分ける時になって生きてきて、またも脚本の緻密さに唸らされます。

 走る走る、啓吾と真生。緑が効いてて素敵なシーンの連続!
孤独の淵にいた二人が、生きて、呼吸して、ちゃんと走れる。笑える、歌も歌えることを幸せに感じるシーン。



体育の授業のため脱いだ制服がごみ箱に捨てられてしまう。陰湿化する真生へのイジメ。
啓吾の声を聞き元気になろうと、ケータイに電話するがつながらず、
母が父(平田満)に別居を言い出すのを立ち聞き、寂しさから啓吾に会いに行ってしまうが
カヲルが啓吾にキスする場面に遭遇し、心のより所を失くし絶望した真生は・・・

 ☆。*・*。

この頃たて続けに、中学生のいじめによる自殺が相次いで起きる事件報道がありました。
このドラマでもまたクラスの友達によるいじめがあり、
恭子ちゃん演じるヒロインが健気に立ち向かう姿に、いじらしくて何度観ても泣いてしまうシーンがあります。

不安と孤独に押し潰されそうになりながらも、傷つく事を恐れない少女の強さ。
その一方でいつ発症するか分らない自分の未来に絶望し、
自分をさらけ出せる唯一の存在もただの同情だったのか、、と
ひとりで抱えきれない現実にただ泣くしかなかったこの回・・・

死が近い存在として意識した時から始まる啓吾の変化に、
危機感を募らせるカヲルの存在が次第に二人の間に割って入ってきました。。