朝ドラの「カムカムエブリバディ」を毎日楽しみにしている。
昭和ののどかな日常。
流れる音楽が懐かしい。
ドラマにはジャズが多く流れるが、あの頃子供だった私はジャズには縁がなくて、わが家のラジオから流れるのは歌謡曲かアメリカンポップスだった。
まだテレビが一般的ではなく、子供向けの連続ラジオドラマが放送されていてよく聞いていた。
ドラマの中で、雪国に住む農家の男の子が雪降る夜に家のきしむ音に怯え、家族に伝える場面があったのを覚えている。
雪が降り積もり、屋根の雪を降ろさなければ、家が潰れてしまう状況になっていたのだ。
この後、家族総出で屋根の雪を降ろし、終わった後雑炊を食べる。
「雑炊はうまいのう。とりわけ雪降ろしの後の雑炊はうまい」と男の子が言う。
ラジオだから想像するしかなく、当時は「雑炊」が何をさすのかわからなかったし(私の育った地域は“おじや”って言っていたからね)、情報の少ない時代で雪国の苦労も知らなかった。
その頃まさにリアルタイムで亡き夫は雪国で雪と格闘していたのである。
冬は他県に出稼ぎに出ている父に代わって、子供の彼も大事な労働力だったと聞いた。
関東に雪が降って娘たちの学校が休みになると「この位の雪で休んでいたら、雪国の子はどうする!」と、怒っていたっけ。
イヤイヤ、雪国と関東では備えが違いますって…。