今朝は雨で、ファンヒーターに灯油が少し入ったままだったのを思い出したので、使い切ってしまおうと洗濯物を和室に干してヒーターで乾かした。
ウォーキングロードで咲いていた美しいタイサンボクの花。
この花を見ると、私はいつも有吉佐和子さんの小説「恍惚の人」を思い出す。
主人公 昭子 の舅 茂造 が今でいうところの認知症を発症して、梅雨どきに傘もささずに雨に濡れて見上げていたのがタイサンボクの花。
今から50年も前の小説で、当時私は若く、自分の老後なんて全く考えもしない頃であったけれど、この場面は鮮明に覚えている。
そして今、若き日には想像もしなかった老後を生きる私。
この小説の時代には、老いて介護が必要になったとしても自宅で見るのが一般的だった。そしてそれは主にその家に嫁いだ女性の役割だった。
色々な思いがあったと思うが「うちのおじいちゃん、ボケちゃって」と淡々と話していた農家のお嫁さんの日に焼けた顔を唐突に思い出した。
昔の本はハードカバーで、更に箱に入っていた。価格690円。