去年の夏、何気なく眺めていたテレビで、福岡のがんセンターから札幌のがんセンターまで歩いて来たおじさんのニュースを見た。
その時はがんにもウォークにも興味が無かったので、そのおじさんが誰かも気にかけなかったし、すっかり忘れていた。
抗がん剤治療で入院中に、病院の図書コーナーで偶然見つけたこの本。
あのニュースのおじさんは、垣添忠生さま(日本対がん協会会長、元国立がんセンター総長)だった!
「D r.カキゾエ黄門」という名がとてもふさわしい。奥様をがんで亡くし、自らもまたがんサバイバー。
日本のがんサバイバーの数は約700万人。
がんは長く付き合い、向き合っていく病となったが、社会の理解やサポート態勢は十分とは言えない。
そこで、がんサバイバーの支援を訴え、がん患者の声を聴く、日本縦断3500キロのウォークを思いついた。
訴えた3つのポイント。
①がんになると、多くの方が孤立感や再発の恐怖におびえる。彼らを支えるために、対がん協会にがんサバイバークラブを立ち上げた。国民運動に育てたい。
②「がん=死」ではない。がんのイメージを変えるためにも、がんを隠すのをやめよう。十年先にはがんのイメージが全く変わっていることを心から願っている。
③予防としての禁煙、早期発見の検診が大切だ。
今年だったらぜひ一緒に黄門さまと歩きたかった。
リレー・フォー・ライフという世界的なイベントもこの本で知った。
北海道では苫小牧と室蘭で毎年行われているようで、こちらも興味深い。
本のしめくくりは「希望とともに」