「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ブレグジット後のイギリスのその後<2023・3・1>

2023-04-05 10:58:22 | 国際情勢

まず、ボリス・ジョンソン元首相が、思いっきり煽り立ててほゞ強引にユーロ離脱を決めました。
その後、反ユーロ離脱派が巻き返しに出ているようです。

だから、あることないこと全部ユーロ離脱のせいにしている部分もあるようです。ニュースを見ていると、今にもイギリス人は餓死しそうな話も聞こえてきます。

それは、違うという人もいます。
コリン・ジョイス
「ブレグジットのせいでイギリス衰退」論にだまされるな
2023年03月01日(水)13時30分
https://www.newsweekjapan.jp/joyce/2023/03/post-269.php

この人は、かなり日本での生活が長く日本人や日本社会のことを、良く知っています。
日本人向けにイギリスの国内事情を、やや面白く書いた記事を投稿しています。だから、普通のメデイアの記事を読むより、イギリスの内輪のこととかお国柄が分かります。

人手不足の原因はブレグジットじゃない 地に足つかない若者たち
2023年02月17日(金)15時10分
https://www.newsweekjapan.jp/joyce/2023/02/post-267.php

これは、日本も同じですね。これほど人手不足なのに犯罪に軽い気持ちで手を染める若者は、結構います。あるいは、ちょっときつい職場では、外国人ばかりになりました。

それは、脇に置いて日本人の識者の解説。

EU離脱後の英国を「呪縛」から解放する「ウルトラC」? 勝負に出たスナク首相
2023年02月28日(火)18時37分
https://www.newsweekjapan.jp/kimura/2023/02/euc_1.php

イギリスがEU離脱を急ぐために、EUと妥協した部分が北アイルランドの取り扱いです。
「島国の英国は北アイルランドとアイルランド間に唯一の陸続きの国境がある。3600人以上の犠牲者を出したプロテスタント系住民とカトリック系住民の北アイルランド紛争を再燃させないよう、英国がEUを離脱した後も北アイルランドとアイルランド間に「目に見える国境(ハードボーダー)」を復活させないことで英国、EU双方が合意した。

しかしEU離脱を急いだジョンソン氏は、北アイルランドが離脱後もEUのルールを受け入れることで妥協した。このため英国のルールに基づいて製造された食品をそのまま北アイルランドに運んで販売できない状況に陥った。スーパー、レストラン、卸売業者は500枚もの証明書が求められるようになった。」

つまり、このようないい加減な妥協をしたために
英国のグレートブリテン島とアイルランド島との間にある【アイリッシュ海】に税関が出来てしまいました。

北アイルランドは、イギリスの国内なのにその間に税関があるのは、誰が考えてもおかしいと言えます。
でも法律は法律ですから、これまで北アイルランドとイギリス本当の間では、膨大な税関手続きが必要でした。

「英国の欧州連合(EU)離脱の棘として残された北アイルランド議定書を「ウィンザー・フレームワーク」に改定することでリシ・スナク英首相と欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長が2月27日合意した。このあとチャールズ国王はウィンザー城でフォンデアライエン氏に謁見、議会採決を待たずに「国王裁可」を与える形を演出した。」

EU側にも妥協が必要な理由が発生しました。
ウクライナ紛争です。イギリスをしっかりとNATO側に引き寄せるためにです。
一方、イギリス側には、理解不能な国内問題を解決するメリットがあります。もし、ウクライナ紛争がなければ、EUは妥協しなかったでしょう。困るのは、イギリスであり冷たく傍観したと思います。

北アイルランド問題は、イギリスにとっても蒸し返したくは、ありません。うっかりすると、北アイルランドがアイルランドと合流してしまうかもしれません。

つまり、北アイルランドはアイルランドと陸続きです。
事実上、北アイルランド経由であればイギリス企業は、ほぼ税関なしでユーロと取引できる道が開けたと言えます。
要は、お互いあれこれ言わないで、ブレグジットを形骸化させようという合意です。

あいまいな合意の内容は、北アイルランド向けの商品などには関税をなくすと言うことです。だから、当然北アイルランドからイギリスに入ってくる商品なども関税は、必要ないことになります。
しかし、北アイルランドとアイルランドの間には、関税もないし、出来るだけ国境を意識しないようにしようという時代の流れもあります。
アイルランド経由なら、ほぼ関税なしにユーロからイギリスへ・イギリスからユーロへ商品などを流通させることが、多少の裏技を使えば出来るでしょう。

そうなれば?
イギリスの港湾業者が怒るに決まっています・
「なんで?アイルランドは良くて!こっちは、ダメなんだよ!」
イギリスの港湾労働者のストライキなんか、普通に起きると思います。
そうしたら?
「じゃあ、国民の反対が多いからイギリスの港湾もいいことにします。」
こうなりそうな気がします。
最初から、確信犯です。しかも、これは始まりです。
イギリスとユーロで合意事項が、一つできれば?
特別法でその合意の部分を、ブレグジットから除外します。これを繰り返していけば、ブレグジットの中身は、スカスカになるでしょう。

ブレグジットを強行したイギリス保守党は、これに逆らえません。もし、逆らって解散総選挙になれば、確実に労働党に大敗するからです。
労働党政権になれば、ブレグジットの見直しに動くのも確実です。

妥協の妥協を法律化してしまえば、事実上ブレグジットは形骸化し、保守党内のジョンソン氏一派は勢力を失っていくでしょう。そうなるとスナク首相の保守党内の権力基盤は強くなるという仕掛けです。
分かっていても逆らっても法案は、成立し解散総選挙の雰囲気が出てくれば、保守党は労働党に大敗・・

こうして、ブレグジット強硬推進派は、スナク首相の罠にかけられました。
その後、どうなるのかは知りませんがユーロの中にいた方が、イギリスにとってはメリットが多いと思います。
ビジネスマンのスナク首相には、それが良く分かっています。
イギリス国内では、まだブレグジット問題は継続中で全部、終わるには気の遠くなるような年月が必要でしょう。普通、止めようって気になると思います。
今なら、「出戻り」のハードルは低いです。
(税金=ユーロ加盟の分担金を払うから、全部なしにしてください・・)
平和なときなら、「出戻り」は・思いっきり!虐められると思います。



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