どうか降っていませんように…と祈るように起きたら、予報通りの雪降りの朝だった。
クー
ま、しょうがない。
早起きしてまだ薄暗い雪の中、出勤。
誰も居ない職場に着いて鍵を開け、あちこちの部屋の暖房を点け、子ども達が来る準備をする。
窓の外を見たら雪は止んでいた。
雪掻きをするほどではなくて良かった。日中は消えそう。
仕事だが、クソムカつくことがあって辞めてやろうかと思っていたのだが、来月の勤務表を見たらエリナさんが月の後半消えていた。
え…辞めるんだエリナさん…
エリナさんはまだ22歳の正職員。
若くて可愛くて子ども達からも大人気。
最初の頃、この子ってもしかしてあざとい子?て感じで見ていた捻くれおばちゃんだった私だったけど、
一緒に働いていていてわかった。
ホントにいい子。可愛い。見た目も性格も可愛くて礼儀正しくて、いつも一生懸命働いている。
今では私もエリナさんが大好きになった。
でも1番若いから、いろんな人に気を遣っていて大変そうにも見えた。
それに私より小柄なのに、身体の不自由な大きい子のお風呂介助などの力仕事もけっこうしていたし、若いし素直だしで、他にもいろんな役割を任せられていた。
腰を痛めているようだというのも誰からか聞いていて、大丈夫かなと心配していた。
それなのに、何一つ嫌な表情を見せずいつもニコニコして明るく元気に仕事をしていたエリナさん。
エリナさんが居なくなるなんて。。
他の正職員に聞いたら、エリナさんが辞めるということを誰も知らなくて、みんな勤務表を見てびっくりしたそうだ。
今日は仕事中、エリナさんに話しかける機会を伺っていた。
そして近くに居た時、小さい声で話しかけた。
「来月の勤務表、途中からエリナさんがいないんだけど?」
するとエリナさんはわざとおどけたように上目遣いで小声で答えた。
「来月で辞めるんですぅ」
やっぱりそうなんだ…
「そうなんだ、びっくりしたよー。でもね、エリナさんと一緒に働いている私としてはエリナさんが辞めるのは寂しいけど、もし私がエリナさんのお母さんだったらね、『もういいよ。よく今まで頑張ったね』って言いたい…」
て…
話しながらエリナさんを見たら、エリナさんが涙ぐんでいた。
「そんなこと言われたら泣いちゃいます」
「え、ちょ、待って、泣くのはまだ早い泣くのはまだ早い」
慌ててエリナさんの頭を撫でた。
ホントに可愛いエリナさん。
寂しいけどまだ若いから、他にもたくさん道はある。
心身疲れを癒やしたら、また新しいことに挑戦して欲しい。
あー、それにひきかえ働かないササキよな。
ササキを正職員に入れたのが知り合いの副社長なもんだからいい気になりやがって。
ササキのせいで私は先日嫌なことがあった。落ち着いたらブログに書くことにしよう。