家内のお供で東京に出かける。皇居乾通りの紅葉が見られるというおのぼりさんツアーである。いつも御用邸前の警備の警察官には挨拶されるし、こちらも『ご苦労さん』の一声で機動隊の若い人にねぎらいの言葉をかけるのが楽しみになっている。ここには神奈川県警の機動隊が来ているが、恐らく全体では10名程度が一時間おきに歩哨に立っている程度だろう。この寒さの中本当にご苦労なことである。
さて、東京駅だが横須賀線の地下4階ホームから上がった中央コンコースにはJR職員が皇居に行く人のために南口に行くように叫んでいた。すでに満員の人並みの想定である。昼食は丸の内側では高くて手が出ないので、八重洲地下のグランルーフの天ぷら屋で早めの食事をして丸の内側に歩き出した。外堀通りに出る前から、すでに見終わった人たちや大手町方面からの人並みが、蟻の行列のように並んで歩いている。東京駅正面の和田倉門には機動隊がすでに交通整理をして祝田通りまで誘導し、今度は祝田橋の交差点近くまで下らせ、そして皇居の砂利道まで進ませる。まるで牧場に牛を追い込むような囲い方であった。
なるほどJR職員が南口へ行けと言うのが分かった。有楽町のほうが早かったのだ。日比谷の信号をまっすぐ警視庁のほうに来れば祝田橋ですぐに並べたのだ。しかしここまでで30分、これから3レーンある牛囲いの中に入れられて、先頭を警察官がゆっくり歩いて先導、結局二重橋を過ぎ和田倉門間で戻って誘導され、待つこと30分、今度は荷物検査と身体検査、そして再び3レーンの牛囲いの中に。待つこと30分坂下門から宮内庁前に品良く静々と参内。
ここまでの警察官の人数は見た感じ100人は居ただろうと思われる。例の渋谷で有名になった『親切案内』の典型のような意識したようなアナウンスで、さすが皇居の警備だと違うなと言う印象であった。あそこでもしか『順番に並んで走らないで下さい』を『お前等ちゃんと並べ、走るなって言ってるだろう』とか警官が言っていたら面白いだろうなって、想像してたら待ち時間もさほど苦にならなかった。(殆ど走るのはオバちゃんだったけど)しかし天皇家の人気と言うか、これは日本の精神的根幹を成す何かがあるのかもしれない。
宮内庁から乾門までの間の紅葉は確かにきれいで、良く手入れもなされているので、国民に対してこの程度の自由出入りは折りあれば度々やっても良いのかとも思うが、警備費用を考えると一寸無理かなとも思えた。坂下門から中は皇宮警察の管轄でなんとなく警察官も品良く見えるのはご愛嬌かもしれない。人間には品格と言うなにやら見えないステータスがあって皇室にはそれがあって、我々庶民にはそれがないから憧れのような対象でみてしまうのだろうか?これは日本人のアイデンティティーがそうさせるのかもしれない。
乾門を出て天守閣の方に行くことも出来たが、数万人の混雑で諦めて北の丸公園方面に出て武道館の真黄色の銀杏を見て九段下から帰ってきました。ここの公園の紅葉もまだ見ごろで素晴らしいのでお勧めです。多分靖国神社もまだ大丈夫と思われます。
今回の皇居散策は日本人の精神性を考える出来事と捉え、我々の時代の後にどういう形にこの国がなっていくのかという事を考えさせられた。同時に高齢化を具体的に数万人規模で見たショックもあり、丸の内の高層ビル群とのアンバランスなイメージとの整合性が取れず一寸悩みが深くなった気もするディートリップであった。因みに皇族が葉山に来られるのは本当に休息に来られるのだなと思いを強くし、そっとしてあげたいと強く感じた一日であった
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