12月14日は鯖寿司の名店「いづう」で"寿司屋のはなし"と題した講座がありました。








"いづう"には何度か来ていますが、当主のお話や鯖寿司つくりの実演などカルチャーの講座でないと聞いたり見たりする機会は無いです。

先ずは、"いづう"8代目当主の佐々木勝さんから「鯖街道が育てたハレの日のご馳走-京の鯖寿司」のお話がありました。
①京都市街は四方を山に囲まれた盆地で海産物は貴重品であった。
②一方、福井県若狭小浜はぐじ(甘鯛)と鯖がよく揚がった。
その小浜を起点に熊川、朽木を経て大原へ、さらに京都の出町まで運ばれた。
③当時の物資は熊川、朽木、大原、出町で中継ぎの運搬人が待ち構え、リレー方式で運ばれた。
「京は遠くても十八里」と言われ約70kmあるがリレー方式で一晩で京都に届けられた。
④青魚の鯖は傷みやすく、水揚げされると直ぐに内臓を出し、そこへ塩を詰めて背負子に並べられた。
その際、鯖は下で高級魚であるぐじは上に積まれた。
ぐじを上に積む事で下の鯖に重しがかかり、よく塩が回った。
⑤こうして届けられた塩鯖が京の市場に並び、町衆の口に入った。
京の町衆にとって「若狭からわざわざ運んで来られた貴重な海の魚」であり、祭りなどめでたいハレの日のご馳走として珍重された。
一方の高級魚のぐじは皇族や公家に届けられた。
次に当主による実演です。
前の当主がテレビで実演されていたのを見た事はありますが、目の前で拝見するのは初めてで貴重な体験です。

テーブルに使われているのは、かって水車の歯車の部材として使われていたものだそうです。