京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

武者小路千家「官休庵」特別見学会

2022年10月25日 17時41分00秒 | 日記
 10月19日は三千家のひとつ武者小路千家 官休庵の特別見学会(よみうり文化センター)に参加しました。





写真の玄関棟の受付で手荷物を預けます。
また、ここからは一切の写真撮影は禁止で携帯電話もマナーモードではなく電源を切るよう指示があります。


①弘道庵





先ずは「弘道庵」で注意事項や武者小路千家の歴史、ここ「弘道庵」の由緒についてお話がありました。

現在の弘道庵は昭和15年(1940)、利休居士350年忌に際し12代愈好斎(ゆこうさい)により再建されたものです。

15畳の広間に一間半の大床、一間の書院がつき、6畳半の水屋及び6畳の寄付、玄関土間と連なっています。





庭園を見ると武者小路千家を代表する茶室「官休庵」とその扁額、「編笠門」が見えます。

説明の後、二班に分かれます。
僕の班は先ずお茶室を案内して頂きました。

② 「半宝庵」





四畳枡床、中柱出炉の間取りで枡床の地板には松、床柱には赤松皮付、中柱にはコブシ丸太が使われています。

露地庭園には灯籠、蹲踞、植え込みが低く設計され、露地に広さや奥行きを感じる趣向になっています。

③ 環翠園





八畳の空間に幅一間、奥行き半間の床の間を取り込んだ七畳敷の広間です。

室内にある「環翠園」の扁額は出雲松江藩主松平不昧公の筆によるものです。

④ 行舟亭



三畳台目向切り、壁床の小間で、舟底の化粧屋根裏天井や、両側の明り障子の位置、寸法が屋形舟を思わせるところから"行舟亭"と呼ばれています。

⑤ 祖堂





明治時代中期に一指斎によって建てられました。四畳半の広さで北側西寄りの壁を斜めの壁床とし、床柱に大徳寺総見院の沙羅椿の古木が用いられています。

その床柱右側の大きな円窓の奥に上段の間を設け、利休居士を祀る利休堂として"祖堂"と呼ばれています。

⑥ 編笠門





武者小路千家の露地の中門です。
屋根の形状が編笠に似ているところから編笠門と呼ばれています。

屋根は約20年毎に葺き替えが行われています。

⑦ 起風軒





平成5年(1993)に14代不徹斎宗匠により創建された二階建ての茶室です。

一階は八畳台目の広間で廊下まで含めると二十畳に広げて使用できるお茶室です。

この日の呈茶はこちら起風軒一階の茶室で行われました。
菓子は一翁忌の日にだけ官休庵が"とらや"につくらせる饅頭"菩提饅"が出されました。





二階は立礼席です。

お茶会だけではなく各種コンサートなど多目的な行事にも使われています。

お家元のご趣味のフルートの演奏会なども行われ、音響効果にも配慮されたお茶席です。



今回はお家元のご配慮、また、一翁忌の日という事もあり祖堂や起風軒など前回には公開されなかったところにも入れて頂き、また、お家元が書かれた本も頂き、大変に満足な見学会でした。

お家元をはじめ官休庵の方々、また、よみうり文化センターの皆さまに感謝です。