去年の11月11日に奈良にある法華寺を拝観しました。






















法華寺の歴史は今から1300年ほど前、聖武天皇の后・光明皇后の発願によってはじまりました。父・藤原不比等の死後、皇后は子どものころから住み慣れた邸宅を皇后宮とされます。その後、皇后宮を宮寺に改められたのが法華寺の始まりです。


法華寺では毎年、「正倉院展」の期間中、国宝に指定されている十一面観音菩薩立像、阿弥陀三尊・童子像が公開されます。

光明皇后のお姿を模して造られたと伝わるだけに実に美しい十一面観音さまです。
日本に7躰国宝指定されている十一面観音さまの一躰です。
内、六躰は拝観していますが、京都・六波羅蜜寺の十一面観音さまだけはまだ拝観が出来ていません。
と言うのも秘仏の為、12年に一度、巳の年にしかお厨子が開けられません。
11月からご開帳の予定だそうです。
滋賀県湖北地方には文化財指定されていない十一面観音さまが多く地域の人達により守り伝えられてきた歴史があります。
十一面観音さまの本地は水の神さま・弁財天?かも知れないと思っています。



大きさの異なる3幅から構成される珍しい来迎図で、光明皇后ご臨終の枕仏と伝えます。阿弥陀如来を正面から画面いっぱいに描く中軸は、縦186.0cm、横146.4cmと最も大きく、他に蓮台を捧げる観音菩薩と、宝蓋(ほうがい)を差し掛ける勢至(せいし)菩薩を描いた1幅、幡(ばん)を掲げ菩薩たちを先導するかのような童子を描く1幅からなります。平安時代にみられる典雅な浄土芸術の典型的な作品で、日本の絵画史上屈指の名作といわれます。
平安時代の絹本絵画がよく残っていたものです。
お寺が如何に大切に守り伝えてきたのかが、この保存状態からも想像できます。

鎌倉時代に製作された文殊菩薩騎獅像
獅子の背の蓮華座に坐し、左手には経巻を載せた蓮華、右手には剣を持ちます。装飾品の特徴などから、鎌倉時代中期、叡尊(えいそん)が法華寺復興にあたったのと同時代の作とみられています。X線CTスキャン調査では、舎利容器や巻物など約180点が像内に納められていることが判明しました。当時の納入方法を今に伝える学術的にも貴重な像です。






庭園は国史跡名勝庭園に指定されています。
(通常非公開で年に1度、春に公開されます。残念ながらこの日は公開されていませんでした。)
江戸時代初期に作庭された回遊式庭園です。広さは約500坪で、京都仙洞御所(せんとうごしょ)の庭園から石や庭木などが移されたと伝えます。5月には杜若が咲き誇り見頃を迎えます。




華楽園
境内の東にある「華楽園」には散策の小径が設けられ、梅、桔梗、スズラン、チューリップなど、和洋取り混ぜた四季折々の花々を楽しむことができます。仏前にお供えするお花は毎朝華楽園から摘まれています。
この日は、藤袴と石蕗、椿とが同時に咲いていました。

仏像及び一部の写真は法華寺HPから転載させて頂きました。