1月12日は「千里阪急ホテル」へ。












吹きガラスで作られた照明、粘土器で一つずつ切り出したタイル




















よみうりカルチャーが主催する人気企画「関西の洋館ノスタルジー」シリーズでの見学会です。
講師は川島智生先生です。
千里阪急ホテルは、昭和45年(1970)3月に大阪万国博覧会「大阪万博」のために開業され54年の歴史を誇るリゾートホテルです。


当時、流行りだったカーブを描く128室の客室棟と、グリル・バー、コーヒーショップ、プールを持つリゾートホテルとしての開業でした。
オレンジの大屋根、白い壁で織りなすヨーロッパスタイルの外観が特徴的です。



集合時間が12時45分と言う事もあり、先ずはカフェ&バイキング「シャガール」でホテル自慢のバイキング料理を頂きます。
魚介のブイヤベースやビーフシチュー、ビーフソテーなど非常に美味しく頂きました。




吹きガラスで作られた照明、粘土器で一つずつ切り出したタイル
大屋根には自然な焼き色を活かしたタイルで濃淡をつけ、階段の手摺りに人が握った時の感触を大切に何度も削り出し試作を重ねられました。
それは、機械では決して作る事の出来ない"匠の技」が成せる技です。

2階でホテルスタッフの方と川島先生から千里阪急ホテルの歴史や館内の特徴と見どころのレクチャーがあり、スタッフさんの案内で館内を巡ります。





千里一帯は竹林を中心にする緑豊かな自然に包まれた場所でした。
設計者・渡辺鎮太郎は緑豊かな木々や草花、その地に訪れる野鳥など美しい自然環境をそのまま守り景色に溶け込むようなホテルでありたいと考えました。
広大な敷地に7つのガーデンを設け、その土地に生息していた種の木々を植樹しました。
館内の装飾も同様に「千里の自然」をモチーフにデザインされました。




アイビースクエアや倉敷市庁舎を手掛けた日本を代表する建築家・渡辺鎮太郎。
彼の愛弟子・村松慶三氏が大事にした事は、人の手で作り出される暖かさや訪れる人へ思いを込めた「人間らしさが伝わる建築でした。



客室は狭いですが何度も改装され、清潔感に溢れ、窓からは千里の自然がまだ一部残っています。




神式の結婚式場やチャペルも併設され、今も現役で使われています。
こんな素晴らしいリゾートホテル千里阪急ホテルですが、次に来年2025年に開催される大阪万博の年に営業を終了し、解体されるそうです。
またひとつ、昭和が消えて行くようで寂しい気持ちです。