水耕栽培による家庭菜園日誌

屋上での水耕栽培・人工光源を使った室内水耕栽培および屋外での有機水耕栽培に取り組んでいます。

室内水耕栽培6 蛍光灯+太陽光

2010年03月20日 | 室内水耕栽培
<はじめに>
今回は植物育成蛍光灯だけでの栽培するではなく、日のあたる場所に設置して太陽光との併用で電気代を少しでも安く押さえれるようにしました。また使用器材もご家庭の居間に設置できるようなサイズのものを選びましたので新たに水耕栽培を始める方の参考になれば幸いです。

<使用装置その他>
◆ラック
部屋に設置する以上あまり大きすぎても置き場所に困ってしまいます。棚の大きさとしては幅90cm・奥行45cm・高150cmの金属ラックならそれほど圧迫感は無いと思います。しかもこのサイズは価格も大変リーズナブルでコーナンでは120cm幅が9800円なのに対してこれは3980円でした。(商品名:パワーラック4段90w)


◆植物育成蛍光灯
この棚に適合した大きさの照明器具としては1段につき20W2灯付を2台使用します。反射板付ですぐに使える蛍光灯がスターライト社から販売されています。価格はNECビオルックス使用が1台7000円、パナソニックは8000円です。詳しくはスターライト社のホームページwww.shiningstar.co.jp 参照してください。

●蛍光灯反射板とは
この反射板は2枚重ね(透明フィルムとアルミ蒸着板)の袋状になっていて、その隙間に蛍光灯を差し込むだけで装着できます。透明フィルムは、いちおうUVカット仕様になっています。紫外線は植物の形態形成に必要ですが、実際に計測してみると、それほどのUV減衰ではありませんでした。
単独で”高効率反射板”だけ希望する場合は、1枚あたり600円くらい(消費税込)とのことです。

◆タイマー
照射時間を管理するのにタイマーが必要です。タイマーとしてはREVEXのタイマーが一番安いと思いますが小生はパナソニックのタイマーを使っています。REVEXは1400円位、パナソニックは3200円位です。
  

◆栽培床(プランター)
この棚の大きさに適合するプランターとしてはコーナンで販売しているプラスチックトロ舟大和技研興業の60型「DGK60」がぴったりです。価格は2000円ほどです。
  

◆エアーポンプとストンおよびチューブ
これらはすべて熱帯魚用の商品ですのでホームセンターで調達しています。
商品としてはテトラエアーポンプOX-60(1980円)は2口送風可能ですので今後上下2段で栽培することを考えるとこれを買っておくと重宝します。これ以外にストン(200円)とチューブ(300円)も必要ですが同じ売り場に必ずあります。

●なぜ空気供給が必要か?
一般的に植物は「葉」だけで呼吸していると誤解されていますが、実際は茎(幹)や根を含め全身(植物全体)で呼吸をし、極めて効率の良い「光合成」を行っています。大気中に露出し、ほぼ限界に近い呼吸をしている「葉・茎(幹)」よりも、最も人為的コントロールが有効なのは「根に対する強制的な酸素供給」です。(ため太郎のHPより引用)そのために水中に空気を送って酸素供給をするわけです。

◆栽培用の発泡スチロールマルチ
これは残念ながらホームセンター等で販売されていませんので専門業者から購入するか自作するしかありません。
自作の方法はホームセンターで高密度発泡スチロールの板を買ってきてプランターに入る大きさにカッターナイフで切り、電動ドリルで25mmの穴を開けていきます。
業者からの購入ですと10枚単位になっていて10枚で約11000円、1枚当たり1100円ということになります。もちろんプランターにあわせてカッターで切断して使用します。小生はM式水耕研究所のショップから購入しています。アドレスはhttp://www.gfm.co.jp/Netshop/0.html 大掛かりにやらない限りは10枚も要りません。1枚でこのトロ舟用32穴が丁度2枚取れます。もしご希望があれば実費でお分けします。


◆スポンジ培地と液体肥料
水耕栽培に必要な消耗品や肥料などは水耕栽培のパイオニアである「協和株式会社」の代理店である「エコゲリラ」などから購入可能です。液体肥料は1リットルサイズでおそらく1年間は使えるでしょう。1㍑サイズで1680円、4㍑サイズが5250円 またスポンジ培地は300個で

◆あれば便利なph計とECメーター
このph計とECメーターがあると水質管理に便利です。
水耕栽培では、植物に与える培養液の管理が一番重要となります。その中でもpH管理は栽培の成功のカギといわれています。水と肥料を混ぜて培養液を作ったとき、pH値が5.5~6.5の間になるように管理します。どうしても植物が水中の酸素を消費しますので自然と水素イオンが増えて溶液は酸性になりがちです。極端にphが適性範囲から外れている時等はアルカリ性の無害な溶液を混ぜるとかph調整液などでphを調整する必要があります。

植物を生育させるには肥料が不可欠ですが、あまりに多くの肥料を与えるとかえって肥料過多となり 植物の生育は止まり、ひどい場合は枯死してしまいます。 EC値は肥料濃度のことで、培養液中の肥料濃度を知ることができます。 ECが高くなった時は水を入れて薄め、下がったら肥料を入れていつも適正範囲になるように管理します。


<照射時間の設定と電気代>
つぎに蛍光灯の照射時間ですが設置場所は晴れた日は午前9時から午後2時まで日が当たりますので午後2時から午後9時までの7時間照射でひとまず設定しました。これですと電気代としては120W×7H,0.84kwhで1日約18.5円、月に554円です(電気代計算君による)ので30株育てると1株あたり電気代としては19円弱ですむことになります。諸費用を入れても野菜1株が40円を越すことがありません。雨の日は設定時間を適宜変更。
諸費用としては蛍光灯は消耗品ですが3年は使えますので年間費用が2000円、肥料とスポンジなどが年間2000円、設備償却は10年使用できるとして年間3500円。年間400株育てるとして1株あたり20円、電気代を加えて1株あたり39円でロスを見ても40円には収まるという計算です。これなら安全で新鮮な手作り野菜の価格としては妥当ではないかと思うのですがいかがでしょうか。
この皮算用の通りうまくいくかどうか今からトライしていきますので結果を楽しみにしてご覧ください。今からは冬にかかりますので日照時間も短くなり太陽光の強さも弱くなるのでもっと照射時間が要るかもしれません。

<栽培葉野菜>
栽培周期は4週間、収穫を見て1ヶ月単位で栽培し品種としてはレタス・小松菜・大阪しろ菜などの葉菜類を2種類ずつ順次栽培していきます。

◆◆レタスと小松菜の栽培◆◆
11月18日 レタス20株、小松菜12株を定植して栽培開始。本日は晴天で朝8時から陽が差し込んでいます。タイマーは午後2時から午後9時までの7時間で設定。エアポンプは24時間稼動。蛍光灯は太陽光が差し込みやすいように段々につるす。
 

11月24日 この1週間あまり天気がよくなかったので少し成長が遅い感じ。冬場は4週間で収穫とはいかないかも。


11月29日<播種後2週間経過> 本日の状態です。少しだけ成長しているようです。


12月6日<播種後3週間経過> 3週間が経過した状態としてはやはり成長のスピードが遅い。おそらく照射時間の問題よりも水温の低さが影響しているのでないかと思われる。今回はヒーターを使用せず室温での成長を見守ることにする。ヒーターを使用して使うとコストが上がってしまうのでジレンマがある。


12月13日<播種後4週間経過>本日の状態です。少し大きくなってきましたがまだ収穫とはいきません。やはりもう2週間位かかりそうです。


12月20日<播種後5週間経過>本日の状態です。先週前後の向きを入れ替えて左右均等に日光が当るようにしました。先週に比べかなり大きくなってきておりますがまだ収穫する大きさではありません。


12月26日<播種(11月15日)後6週間経過>レタスと小松菜の本日の状態です。小松菜はもうそろそろ収穫してもいい状態になってきていますがレタスはあと数日必要でしょう。やはり6週間強ですから夏場に比べると1.5倍の日数がかかるということです。
従って電気代も45日とすれば18.5×45=832.5円、5株ほど大きくなっていないのがあるので25株で割ると約34円ということになります。やはり計算通りにはいきません。


12月30日 成長した小松菜とレタスを少し収穫する。3回位にわけて収穫しようと思います。年が明けたら今度は大阪しろ菜と春菊を育てたいと思います。


1月3日 3度目ですべてを収穫しました。小松菜で3株、レタスで2株が成長不全でしたが32株中28株が成長しました。培地に2,3粒播いて良いのを選ぶようにすると100%完全に成長するのでしょうが、間引きするということが無いので歩留まりとしてはこんなものでしょうか。


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