小嶋つうしん(号外)

(元)大分県議会議員 小嶋秀行の徒然ブログ

おかげさまで

2010年03月26日 | 社会

 むかしは、久しぶりに会う人に「ご無沙汰しています。お元気でしたか。」などとあいさつすれば、即座に「おかげさまで…。」という返事が返ってきていたような記憶があります。

 この二つの会話を聞いていると、久しく会ってもないのに「おかげさまで…。」とは何か矛盾するようにも感じるが、この「おかげさまで…。」とは、地域の人たちに対してであったり、家族に対しての思いであったり、友達や子ども達の「おかげ」なのかもしれません。

 先日、久しぶりに「おかげさまで…。」という言葉を、私の所属する交通安全協会の地域の会議で聞きました。会長職にある方が、会議の冒頭のあいさつで「私も、『おかげさまで』一年間の任務を全うできました。」というものでした。この場合は、役員各位に対して述べたものであることは明瞭です。

 一年前彼が、全くの初任でしかも会長職につき、会の仕組み・ルールも前会長からの引き継ぎ程度しか理解していなかったでしょうから、永年築き上げられてきた他の役員の人間関係や、地域的なこだわり、さらには、会計に関する考え方、役員間の軋轢を含め、ほとんどが手探りの状態であった会長職からすれば、まさに「おかげさまで…大過なく」という心境だったのかもしれません。

 このところ、交通事故が多く中でも高齢者が6割含まれることから、これに地域の協会は危機感をもち、その対策を講じていますが、その結果として他の住民の皆さんにもよい影響を及ぼし、少しでも安心・安全な街であり続けられることが、「おかげさまで…。」を実感するきっかけになっているとのことでした。

 実感してきたこの一年の経験から、地域のなかでもっと活動を広め、この言葉を「復活」させたい思いに駆られているのだと思いました。つまり、交通安全の活動は、もともとボランティアが主体の活動ですから、その活動の結果が安全・安心の地域づくりにつながっているとすれば、文字通り「おかげさまで…。」ということになります。

 交通安全の活動や取り組みはもちろんですが、地域での様々な活動が結果としてその地域で暮らす人々にとって、本当に「おかげさまで…。」という会話が復活し交わされるようになれば、この上ないことだと、感じながら会議会場を後にしました。