小嶋つうしん(号外)

(元)大分県議会議員 小嶋秀行の徒然ブログ

高速道路

2011年06月20日 | 政治・経済
 高速道路の社会実験が昨日までで終了ということになりました。自民党政権時代に、平日以外の「上限1000円制度」が導入され、それ以前には、通勤時間帯に限った「半額制度」がスタートしていました。

 東日本大震災前には、様々な論議が交わされてはいましたが、文字通り、東日本大震災の影響で、財源確保を最優先に、被災地域以外の社会実験をやめるということになりました。あくまで、社会実験ということでしたから、それはそれで理解ができるところです。

 民主党が政権を担うようになり、早い段階で社会実験を開始し、前原国土交通大臣の下で、第二弾までエリア拡大となりましたが、この社会実験の成否について、後に成果や課題について説明責任を果たしていただきたいと、みんなが期待していると思います。

 ご承知のとおり、高速道路料金は、国際的にみても日本ぐらいらしいですね。こんなに高い料金体系になっているのは。一部、ヨーロッパに料金を徴収している国があると聞きますが、それ以外に、あのドイツの高速道路さえ無料でした。

 広い所では5車線でした。走る車の量も半端ではなく、相当量の車両が走行しています。また、この高速道路には速度制限を示す標識も何もありません。ドライバーの良識に依拠しているということでした。にもかかわらず、ほとんど事故はないともいいます。

 こうした国際的な傾向が一つの根拠になってか、日本でも無料化が実験的に実施されましたが、実は、日本の高速道路は、無料を前提に建設していませんので、社会実験がはじまると、いたるところで渋滞や事故多発など問題が発生しました。

 この社会実験には、つねに賛否両論がつきまとっていましたが、いざ、一旦終了となると、昨日までのマスコミ報道でもそうですが、惜しむ声が強調される傾向にあります。この点、政府の政策実施の一貫性について、今後に期待するところ大きいものがあります。

 ところで、日本の高速道路は、実際の料金から換算しても整合していましたが、1km当り24円と言われています。前述したヨーロッパ(どの国か覚えていませんが)の有料道路は、確か1km当り8円ということを聞いたことがあります。

 実に日本の1/3の料金体系のようです。日本の料金がこんなに高いのは、建設費用やファミリー企業の問題など、すでに様々取りざたされましたから、ここで述べるまでもありません。そうしたこともあってか、日本の高速道路は、「民営化」されました。

 民営化の意図は、必ずしもよく承知していませんが、私がここで述べたいことは、高速道路の無料化は賛成。ですが、将来的にということです。その前段として、ソフトランデングで、料金体系を徐々に見直すことに手掛けるべきであったと思います。

 つまり、先ずはヨーロッパ並みの料金に値下げをすることからはじめ、これも社会実験として実施すると共に、最終段階の一歩手前は1/3まで下げて、その推移を見守るという事でも良かったのではないかと考える次第です。

 高速道路の無料化社会実験が開始されたのち、民主党県連には輸送船関連の団体、運輸部門の団体、バス事業者などが「政策提言」として、無料化反対をベースとした料金体系の見直しについて、随分多くの「陳情」団がお見えになりました。

 結果として、本日から、通勤時間帯限定の「半額制度」のみが残されることになりましたが、これまでにお見えになりました方々には、提言内容を超越して「ご期待に応える」という、皮肉な結末になりました。

 高速道路の無料化については、また、そう遠くない時期に論議が再燃されることを期待しています。将来は、徐々に料金が見直され、限りなくゼロ円に近づくよう、大きな期待を持っておきたいと思います。