朝日新聞 2010,3,19 13面より引用
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佐山和夫氏 ノンフィクション作家
「ストライク!」「ボール!」
野球の試合は、アンパイアのこれらの
コールのもとに進行する。そのボール
カウント・コールの順番が今年から日
本のプロ野球においても従来とは逆に
ボール先行となった。「ワン・アンド
・ツー」なら1ボール、2ストライク
を意味する。日本野球の最大の謎とも
呼ばれたカウントコールがいよいよ国
際方式に変更煮なったが、なぜこれま
で日本は独自のやり方だったのか。(中略)
ここにあるのは、外国の事物を日本に
導入するときの一つの典型だ。そっく
りそのままにまねるのではなく、何ら
かの加工、改良を加え、自分たちのも
のにしたという証拠を残すというやり
方だ。(中略)
「打てる球がきたら積極的に打ってい
く」というスタイルに日本も変わって
行くのか。
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▼外国の物をそのまま受け入れるので
はなく、日本的な解釈をしてそれに改
良を加えるというやり方である。他の
ルールには忠実に従いながらカウント
コールだけは真逆にした理由は↑のよ
うなことだろう。
腕っ節の強い米国人であれば打撃のゲ
ームを優先させるだろうし、非力な日
本人であれば守備に重きをおき、素早
いフットワークで確実にアウトカウン
トを増やしていく作戦が妥当だろう。
最近ではイチロウ選手のように攻守と
も抜群の働きでヒ―ロ―になる人も現
れてひと昔とは様変わりの体である。