林 千世子著 KAWADE夢新書 P120より引用
ISBN4-309-50297-0 720円+税
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高齢者になると、時間経過は加速する
年をとると、時間経過のスピード
が加速されるというのは本当です。
心の加齢変化を研究している京都
大学の正高信男教授が、主観的時
間の長さに関する実験をしていま
す。実験は二十~七十歳の各年齢
層の被験者五十名ずつを対象に行
われました。そらぞれに椅子に座
り、目を閉じてもらい、実験者が
「スタート」といってから三十秒
経過したと思ったところで手を上
げてもらう、という方法をとって
います。実験者はその時間をスト
ップウォッチで計って記録し、そ
れを三十で割ったものが、その人
の感じる一秒の長さということに
なります。(略)
その結果を年齢別にみると、五十
代半ばまでは主観的一秒は実際の
一秒より短く感じています。とこ
ろが、五十代後半ごろから、主観
的一秒はみるみる長くなりはじめ
るのです。(略)
主観的一秒が長くなると、一時間、
あるいは一日がそれだけ短く感じ
られるようになっていくわけです。(略)
一年の長さはその人の年齢に反比
例する。つまり、六十歳の人にと
っての一年は、三十歳の人の二倍
の速度で過ぎていくという説があ
りますが、なんとも説得力なある
説だと感じられます。
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▼一年の速さというものはアッと
いう間に過ぎていきます。この間
正月の挨拶をしたのにもう年末に
なっている。一年がまるでロケッ
トに乗っているようだとよく言い
ますが、これって実験してみると
本当に早いんですね。よく昔「六
十歳を過ぎると日の経つのが早い
よ」と先輩に聞かされた記憶があ
りますが、三十歳の時の時間の長
さと六十歳の長さとはおのずと違
ってくるわけですね。時間を大切
にしなければと思います。時間だ
けは世界中誰でも平等ですから。
こめぞう