木漏れ日の雑木林

金剛山の西山麓で里山の保全活動を行っています。自称若者集団ですが、実態は?

用水の利用について

2023年04月06日 05時19分31秒 | 耕作放棄地

ご承知のように農作業に「水」は必要不可欠な資源である。「水は天からのもらい水」が基本原則だが、其処らの状況について少し触れてみようかと思う。多くは山に降った天水が基本となり、水路や河川を伝って耕作地帯へと運ばれる。河川は文句なしの公共インフラであるのだが、問題は水路だ。幹線となった水路は多くが青線とも呼ばれる公共物だ。青線とは法務局備え付けの「字限図(公図)」に青い線が引かれた水路で、かっては国有地とされたが現在は地元自治体に移管された模様だ。その他に地域の集団で掘削した水路や個人で引っ張った水路等が存在するのは何処も同じだろうか。

上述のように、基本としての水路は公共物、枝分かれして私有地内に存在する水路は個人所有・・・・といった案配だろう。無論、流れる水は公共物で一定の配慮の下に利用が認められているのではなかろうか。従って、維持管理も公共で・・・・・との認識に成りがちだが、そうそう単純では無い。当地では「水利組合」なる組織を作って共同で維持管理に当たっている。流域内外にて耕作する地権者が構成員だ。我々の耕地も地主殿が構成員だが、約束上、代理出席を求められているので「長老」が代表して参加している。年に1回の総会出席や水路のメンテナンス作業への参加等がメインかな。

水は河川から用水路へと分岐し、更に何ヶ所かの分岐を繰り返しながら耕地へと流れてくる。よくある話だが、田植え等で用水の利用が逼迫するときには水が流れないとの事態も発生しうる。流量よりも必要量の方が大きくなってしまうのだ。かって生じた「水争い」の原因でもあるのだろう。一定の配慮が求められる。

今回生じたのは水路をまたぐ小さな橋のお話、師匠宅から奥地の農地へと至る通路に小さな石橋が架かっている。青線である水路に掛かる小橋だ。理屈上、公共物とみられがちだが、通行者である師匠宅が設置された模様。今回、改修を決意されたようで、理由は増水時に流れ来るゴミ等で詰まりやすく手入れが困難だそうな。子狸もこのポイントから分岐される水路で水を導入しているが、詰まりには手を焼いていた。改修されるのであれば有り難いのだが、師匠の負担も大変だろう。

国や地域によって対応策は異なるのだろうが、当地では基本水路の所有権は地元自治体に、利用権は水利組合に、私的な工事は利用者にといった配分が一般的であろうか。無論、地域毎に慣習が異なるだろうから、古老等に尋ねられるのが上策だろうと思う。「郷に入りては郷に従え」との慣例は現在も生きてるようだ。水は公共の資源、水無くしての生活は成り立たないので大いなる配慮が求められるのは必定でしょう。

 

 

 

 

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