農作業を行っていると、どうしても余分な廃棄物が生じてしまう。むしり取る葉や茎或いは根株など、いわゆる「残滓」と呼ばれる物だ。原則的に乾燥させて焼却処分としているが、なかなか乾燥してくれず、手間暇の掛かる作業となってくる。乾燥に十分な時間を割ければ申し分無いのだが、スケジュールの関係で中途半端の乾きの状態で焼却せざるを得ない場面が屡々だ。仲間達も同様と見え、手こずってる場面が折々に展開される。黒っぽい煙が立ちのぼるから一目瞭然なのだ。
本日は例の若き挑戦者であるO氏が該当するようで、煙がたなびいてきた。彼は「聖護院ダイコン」を大量に栽培していたが、販売や消費に至らなかった部分が立ち枯れ状態となった模様で、しばし放置していた。決心がついたみたいで、焼却処分へと至ったらしい。眺めていると、危なっかしい対応で火を付けている。焚き火には慣れていない模様だ。無理も無かろう、とりわけ住宅街等に居住していれば「焚き火の体験」などまず無いだろう。
丸太や古竹を準備したのはセオリーどおりだが、いきなり丸太等に点火しようと試みている。着火する訳が無い、経験不足なのが一目瞭然なので少々のアドバイスを。少量の古新聞と古竹を細かく割った物を準備してもらい、小→大、への手順で火を着けていく。慣れれば何という事も無い作業なんだが・・・・・・・・・・。種火が出来上がったところで、上に残滓を載せていく。こうしておけば時間は掛かるが、青菜といえど燃えてくれるのだ。
そのうちに煙が立ちのぼってきたので一安心、後は火の管理に留意するだけ。師匠宅が近いので煙が入り込むが、そこは師匠宅も典型的な農家である。焚き火の必要性は十分理解され、ある程度は耐えていただいている。延焼しないよう火の番に努めるだけだ。無論、緊急時の消火用に水の準備は怠りない。プールした水タンクや貯水池等の側で行うのが基本原則、彼も水瓶の側に燃焼場所を設えた。
あと、対象物が聖護院ダイコンなので、形が大きく球形なので乾燥不足な側面も。ダイコンを幾つかに分割し、表面積を大きくしてたら乾燥も早かったのだが、気付いて無かったようだ。まあ、何事も経験、失敗を繰り返しながら徐々に身につけていくのだろう。時間の経過と共に、彼も一人前の百姓へと育っていくのだろう・・・・・と長期戦で期待している。