連日熱波が続いている。夏野菜達も息絶え絶え・・・・・・と言った印象ではあるまいか。茎や葉も萎れ、まるで元気が無い。水分摂取を呼びかける報道のように、人間様も乾燥状態だ。植物達も同様の渇水状況なんだろう。そうした近況に危機感を覚えたのか、大御所が動き出した。遠目に眺めていると、どうやら掘削の模様だ。水路から息絶え絶えのサトイモ畑へと溝を構築し、水を流し込む算段のようだ。ただ残念な事に水路にも水が無い。源流の不足か、途中での使用量オーバーか不明だが、水系末端の我々の位置では蒸発してしまったようだ。時期を待たねばならないが、準備は怠らないようだ。
元々が田圃だった耕作放棄地、畑の近くまでは水路が設置されている。問題は水路端からサトイモ畑までの数メートルを掘削すれば良いのだが、これが難儀なのだ。熱射の中、スコップを使っての肉体労働、米寿を迎えた大御所には大変な作業だ。汗みどろになりながら作業は続いていく、眺めている方がヒヤヒヤしてくる。近寄って木陰に入り、無駄話を仕掛ける。休憩してもらわないと倒れ兼ねないのだ。
しばらくの休憩で世間話に興じていると、長老のご出勤だ。何時ものスタイルでミニ鍬を持ちながら雑草処理の体勢、意気込みは強いようだ。流石に暑さには耐えれないようで、息づかいが荒いようだ。用心に越した事は無い、出勤早々だが休憩を強く勧める。
一休みした大御所は再びの作業開始、どうあっても水用の溝を作り上げる魂胆のようだ。出来上がっても即座に水の導入を・・・・・・とは行かないのだが、意図する願望は痛いほど解る。彼にとってサトイモは最大の作品、何せ観光客を呼び込んでの「イモ掘り体験」の主役でもあるのだ。困難な状況を見逃す訳にはいかないのだろう。
大御所への支援をと動きたいが、肝心の当方もバテバテの状態、予定した本日の作業内容も到底処理できそうに無い。最低限のミッションをこなすのがせいぜいだろう。とりあえずはほぼ日参出来るだけでも御の字かな。そういえば昨年の今頃は、例の流行り病に倒れ隔離状態だった。下手をすると、あの世行きともなっていたかも。動けるだけでも有り難いこと、貴重な持ち時間を大切に有り難く使用しないと。