ドッドッドッ・・・・・鈍い音が響き渡っている。窓を明けると激しい雨脚が。予報には無かったが久方ぶりの雨天となったようだ。正に干天の慈雨、何とも有り難い現象である。炎天下の天候が続き、耕地も野菜も乾ききっていた。熱中症ではないが、近い症状だったのかも。この雨で一息着けそうで、耕作人の我々も一休み出来るというもの、大きな恵みだ。お隣の中国では台風5号の影響によるのか、集中豪雨で地域社会が水没してるとかどうとか。其処までは届かぬ雨なら、大いに歓迎である。待ち望んだ雨なのだ。先人達が「雨乞いの儀式」まで行って降雨を願った気持ちが痛いほど解る。
空だった水タンクも満タン状態、容量は200リットルほどある。天水だけでの貯水だから、相当な降雨量だったのだろう。おかげさまで野菜達も生き返ったようだ。心なしか、葉や茎の色合いが何時もより鮮やかに見えてくる。水が命の根源、野菜も人間も基本は同じようだ。満タンの水タンクを眺めていると、何とも安心できるから不思議な気持ちだ。以前読んだ、辺境の地で自給自足の生活を行う人の手記を思いだした。お金を持ってるよりも積み上がった薪の大きな束を見上げるとき、安心感を覚えるのです・・・・・・確かそんな表現だった。
雨上がりの農園を散策しながら作業手順を考えるが、実行出来そうにも無いようだ。雑草も野菜もビショ濡れ、耕地はグジョグジョ、積み上げた刈り草を焼却しようにも火が付きそうにも無い。困った、出勤は出来ても作業は不能か。まあ水タンクが満タンなので良しとしますか。
撤去したトマトの後始末だけでもやりたかったのだが、本日の作業は困難な模様。そんな日もあるだろう。農園を眺めただけで引き上げますか。仲間達の畑もチョイ見しながら帰路につく。長靴をはいてるものの、足下は湿っぽい。どうやら腰の高い雑草がズボンを湿らせるようだ。仲間達の耕地も草刈りが必要な模様、なかなか追っ付け無いのは子狸も同様なんだが。
水路を眺めて見ると、轟々とした流量が。流石に雨後の本日は水の取り合いも無いだろう。平和な1日が過ごせそうだ。