夏場は草木の成長の季節、それもとんでもない速さだ。一寸油断すると周囲の風景が変わっている・・・・・正にそんな印象。何とも凄まじい。心して対策に講じれば良いのだが、理屈どおりに行かないのが世の中だ。何せ連日40度近くの気温が続いている。ジッと立っているだけでも目眩がしそう、作業などとてもじゃないが・・・・・・・・と言った状況だろう。こんななか、刈払機を持ち出した御仁がいた。主人公は「長老」だ。彼は昨日、座り込みながら「体がいうことを効かない、しんどいのや」と弱気な一面を覗かせていたのだが。一眠りして元気回復か、本日は意気軒昂な状況の模様。
現場はサトイモやサツマイモの植栽地、無論、現場への畦道も控えている。草丈は画像でお解りのように腰ぐらいの高さ、決して少ない分量では無い。どうやらチップソーを付け替えた模様で、本日は切れ味鋭いタイプのようだ。熱気の中でエンジンが唸りだした。マシーンは軽快な様子、音の響きが良い。雑草のみならば一刀両断なんだが、現場は野菜の植栽地、そうそう簡単では無い。細心の注意を払いながら雑草のみを選択、刈り取っていく。こんな場合、ハンドル無しのタイプが使いやすい。小回りが効くのだ。
眺めていると首に巻いたタオルが重そうな雰囲気、水気をたっぷりと吸い込んでいるのだろう。直射日光が照りつけ、まさにギラギラとした太陽・・・・と言った形容詞が相応しいかと。風が吹いてくれれば多少は助かるのだが、微風すら無い。カメラを構え、彼の作業風景を眺めていたが暑さに耐えられず木陰に逃げ込む場面も。木陰の下も暑苦しい。
それにしても彼の熱気は何処から発生するのだろう。モチベーションの要因を知りたいものだ。彼も相応の年齢、決して若くはない。自宅で孫の子守が似合ってるような層だ。敢然と雑草の山にチャレンジするハードさには、某かの根本的な理由があると推測するのだが。無論、耕作放棄地の解消・・・・と言う組織ポリシーは存在する。しかしながら個人の活動要因は「大義」のみではあるまい。彼のモチベーションの要因を知りたいものだ。
ふとしたときに漏らした一言、カール・マルクスを信じていた頃もあったのだが・・・・遠い青年期のほろ苦い思い出か。世に諺が存在する。青年期に革命思想にかぶれない者はバカであり、中高年期に尚も引きずってる者は更なる大バカだ、と。真実はどうなのかは存じないが、彼も彷徨った青年期を過ごしたのかも知れない。そんな思いはともかく、意気軒昂な作業は続いていく。彼の熱中度では、本日中にサトイモ畑を刈り取ってしまうかも。信じられない熱気だ。